S&P500は、アメリカ株式市場の動向を表す代表的な株価指数です。
米国株式時価総額の8割をカバーしており、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)等、多くのインデックスファンドやETFのベンチマークに採用されています。
本ページでは、S&P500の特徴や構成銘柄・業種構成比、また米国の株価指数としてS&P500同様に有名なNYダウとの比較を行います。
また、S&P500と同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるインデックスやETF、そのお得な購入先などを解説していきます。
S&P500とは?
S&P500とは、米国投資情報社「スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)」が算出している米国の代表的な株価指数で、ニューヨーク/アメリカン証券取引所、NASDAQに上場している代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型の株価指数です。
米国の主要な大型・中型株を含み、米国株式市場時価総額の約80%をカバーしており、米国株式市場の動向を見る上で、ニュースなどでも取り上げられます。日本の株式市場に例えるとTOPIX的な立ち位置です。
業種(セクター)別構成比
次に、業種別の構成比率を確認します。情報技術やヘルスケアなど米国が世界を牽引する業種の割合が高くなっています。NYダウと比べると、金融や資本財セクターが若干低めとなっています。
業種(セクター) | S&P500 | NYダウ |
---|---|---|
情報技術 | 21.7% | 14.9% |
金融 | 17.7% | 20.7% |
ヘルスケア | 14.1% | 12.8% |
消費者サービス | 12.1% | 14.9% |
資本財 | 10.2% | 19.9% |
消費財 | 9.4% | 6.3% |
エネルギー | 6.5% | 6.4% |
公益事業 | 3.3% | 0.0% |
素材 | 2.8% | 2.6% |
電気通信 | 2.4% | 1.6% |
NYダウとの比較
米国株式市場の動向を表す指数には、S&P500の他にNYダウがあります。二つの株価指数の違いには「構成銘柄数」と「指数の算出方法」の2点があります。
項目 | NYダウ | S&P500 |
---|---|---|
構成銘柄数 | 30銘柄 | 500銘柄 |
算出方法 | 株価平均型 | 時価総額加重平均型 |
分散性の観点から考えると、構成銘柄数が多いS&P500の方が優れていると言えるかもしれません。日本市場に例えると、NYダウが日経平均株価、S&P500がTOPIXのような立ち位置と言えます。
NYダウ(ダウ平均株価)の詳細は、以下をご参照ください。
組み入れ銘柄と構成比
S&P500の構成銘柄(全500銘柄)の組入上位銘柄の顔ぶれを見ていきます。アップルやマイクロソフト、Facebookなどの有名ハイテク企業が名を連ねています。バフェット氏の率いるバークシャー・ハサウェイもトップ10入りしています。
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
アップル | 3.21% | テクノロジー |
マイクロソフト | 2.51% | テクノロジー |
エクソン・モービル | 1.94% | エネルギー |
アマゾン | 1.63% | 消費者サービス |
ジョンソン&ジョンソン | 1.61% | ヘルスケア |
バークシャー・ハサウェイ | 1.60% | 金融 |
JPモルガン・チェース | 1.53% | 金融 |
1.45% | 情報技術 | |
ゼネラル・エレクトリック(GE) | 1.40% | 資本財 |
ウェルズファーゴ | 1.36% | 金融 |
以下、トップ10以外の銘柄をいくつかピックアップ解説していきます。
S&P500構成銘柄①:IBM(アイビーエム)
IBM社は、1911年に設立された企業(上場は1915年)で、コンピューター黎明期から市場を席巻してきました。
もともとハードウェアが有名でしたが、現在ではソフトウェア・サービスが主力となっています。
S&P500に連動する投資信託(インデックスファンド・ETF)
S&P500と同等の投資成果を上げることを目的とする投資信託(インデックスファンド・ETF)には、以下のようなものがあり、どれか一つの銘柄を購入することで、S&P500と同じ投資成果をあげることができます。
S&P500に連動する投資信託の選び方・選出基準
投資信託を選ぶ際に重要なことは手数料(信託報酬)の安さです。信託報酬は、保有している投資信託に一定の割合で徴収される手数料です。
手数料(信託報酬)が高いと、その分投資信託のパフォーマンスが悪化しますので、ベンチマークが同じファンドを選ぶ場合、手数料の安い投資信託を選ぶことが重要です。
- 手数料(信託報酬)の安いもを選ぶ
- 初心者向け:手間をかけたくない ⇒ インデックスファンド
- 中上級者向け:手間よりもコスト重視 ⇒ 米国ETF
また、投資信託には、インデックスファンドとETF(上場投資信託)の2種類の投資商品がありますが、基本的に初心者の方は、手間がかからず少額から購入・積立ができるインデックスファンドがオススメになります。
以下、インデックスファンドとETFの違いを比較しつつ、なぜ初心者の方にインデックスファンドがオススメなのか?など解説して行きます。
インデックスファンド・ETFの違い
インデックスファンドとETFの主な違い(比較ポイント)は、コストと利便性です。以下、この2つのポイントに関して、両商品を比較していきます。
- コスト:商品の売買手数料「初期コスト」と保有期間中にかかる「継続コスト」がある
- 利便性:売買の方法や積立の仕組み等に違いがある
手数料(コスト)比較
はじめに、コストに関して比較していきます。下表は、インデックスファンドとETFの初期コスト・継続コストを比較したものです。
ネット証券で購入手数料が無料になることが多いインデックスファンドが初期コストは安くなりますが、継続コストである信託報酬は、ETFの方が割安である場合が多くなっています。
項目 | インデックスファンド | ETF |
---|---|---|
初期 コスト | ネット証券ならほとんどの場合、購入手数料無料 一部ファンド(新興国株式)は、 売却時に0.1~0.3%程度の手数料がかかる | 株式同様の売買手数料がかかる |
継続 コスト | 年率0.1%〜0.5%程度 ETFよりも割高な場合がある | インデックスファンドより割安。 半分以上安い場合も ⇒ 信託報酬の安さがETF最大の魅力! |
結局どっちが安いの?と疑問がわくかもしれませんが、その答えは「運用期間」によって違います。商品によって違いますが、おおよそ10年程度以上継続的に商品を保有する場合、初期コストよりも継続コストが重要になってきます。
そのため、長期的に保有しつづける場合は「ETF」、中長期で保有する場合は「インデックスファンド」がお得になる状況が多くなっています。
利便性の比較
以上のように、コスト面では長期投資の場合、ETFにお得感があります。ただし、利便性に関しては、インデックスファンドの方がETFよりも優れていると言えます。
下表は、各商品の利便性を比較したものです。購入方法や積立投資などの分かりやす・しやすさ等、利便性はインデックスファンドの方が優れています。ETFは、自分で積立を株数単位でやらなくてはいけないので、初心者の方は難しいと感じるかもしれません。
項目 | インデックスファンド | ETF |
---|---|---|
買付 | 金額ベースで買付可能 最低100円から自動積立が可能 | 自動積立は不可 最低購入金額が高い場合も 金額ベースの購入は不可 ⇒ 株単位の購入 |
分配金 | 自動再投資が可能 | 自動再投資ができないの →自分で再投資が必要 |
もう少し詳しく解説すると、インデックスファンドは、金額ベースで購入が可能です。例えば、1万円とか15,000円など、キリが良く、管理のしやすい金額で購入できます。一方、ETFは株数単位での購入なので、自分の投資したい金額で何株購入することができるのか計算したり、調節したりしなくてはいけません。
また、インデックスファンドは毎月100円から自動積立(毎月の投資日と金額、銘柄を選択)が行えますが、ETFはできません。毎回自分で株数を決めて、手動で購入しなくてはいけません。最低投資金額もETFの場合、数千円や数万円となっています。
分配金の再投資に関しても、インデックスファンドは自動で分配金の再投資をしてくれます(購入時に分配金再投資コースを選ぶ)。しかし、ETFは分配金の再投資は自分でしなくてはいけません。また、再投資の際に売買手数料がかかったり、分配金をキリよく再投資するのも難しくなっています。
このように、インデックスファンドとETFには、それぞれメリット・デメリットがありますので、皆様の運用手法に合わせて、商品をお選びください。基本的に、初心者の方は、インデックスファンドの方が便利で扱いやすいと思います。
以下、投資信託の選び方がわかったところで、S&P500に連動するインデックスファンド、およびETFの比較・一覧を見ていきます。
インデックスファンドの比較・一覧|オススメ銘柄は?
S&P500に連動するインデックスファンドは、下表の4つがあります。
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% |
SBI・バンガード・S&P500インデックス | 0.0938% |
iFree S&P500インデックス | 0.225% |
iシェアーズ米国株式インデックスファンド | 0.375% |
米国株式インデックス・ファンド | 0.45% |
S&P500型でおすすめの銘柄は「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」です。他の銘柄と比べて信託報酬が安いので、中長期で見た場合、パフォーマンスに大きな差が出てきます。
- 毎月の自動積立ができる
- 分配金の自動再投資ができる
- 最低100円から積立・購入できる
- 楽天証券で1%以上のポイントポイント還元が受けられる!
手数料の安さにこだわる場合、「SBI・バンガード・S&P500インデックス」があります。
ただし、この投資信託は、楽天カード(クレジット決済)での積立積立が可能な「楽天証券」で購入ができません。
そのため、ポイント還元も考慮すると「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」がオススメです。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の詳細は、以下の記事をご参考ください。
ETFの比較・一覧|オススメ銘柄は?
S&P500に連動する代表的な低コストETFは、下表のような銘柄があります。日本の株式市場に上場する国内ETF、米国株式市場に上場する米国ETFの2種類のETFがあります。
ファンド名 | 信託報酬 | 種類 |
---|---|---|
バンガード・S&P500ETF(VOO) | 0.04% | 米国ETF |
iシェアーズS&P500ETF(IVV) | 0.04% | 米国ETF |
SPDR S&P500 ETF(1557) | 0.0945% | 国内ETF |
国内ETFと米国ETFの違いは、売買手段が日本円単位か米国ドル単位かの違いです。また、国内ETFの取引には売買手数料のみです、米国ETFには売買手数料の他に日本円から米ドルに両替するための為替手数料がかかります。
ただ、米国ETFには、経費率が0.04%と超低コストのバンガード・S&P500ETF(VOO)があります。そのため、それなりの資金を一度に投資する方は、VOOを利用しても良いでしょう。
ただし、基本的には、初心者の方や少額を積立投資する予定の方は、先に挙げたインデックスファンド「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が良いでしょう。
まとめ・評価
ここまで解説してきたことをまとめると、S&P500型の投資信託は、コストや投資を行う手間を考えると、以下の2銘柄のうちのどちらかがオススメです。
- 初心者向け:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- 中上級者向け:バンガード・S&P500ETF(VOO)
基本的に、初心者の方や少額を積立・購入する方はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)で、それなりの資金で手間を惜しまない方はバンガード・S&P500ETF(VOO)がオススメです。
最後に、初心者の方やこれからS&P500への投資を始める方向けに、お得な購入方法や実際の買い方・購入の手順や流れを画像付きで解説して行きます。
S&P500型投資信託のお得な買い方
最後に、S&P500に連動する投資信託のお得な購入方法について解説していきます。
ポイント還元が高い「SBI証券」がお得
購入手数料は無料なので、どこで本ファンドを購入しても差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」の違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。
ポイントは、現金や電子マネーへの交換、またファンドの購入に利用可能なため、ポイント還元率の高いネット証券で、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) | 保有額1,000万円以上で還元率2倍 一部ファンドは年率0.05%の還元率 |
SMBC日興証券 | キャンペーンで ANAマイルやdポイント | ANA:最大6万マイルdポイント:最大1万pt⇒ キャンペーン詳細 |
楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) | ポイント除外ファンドが少ない 還元率は少ない |
マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) | 低コストのインデックスファンドはポイント除外 |
auカブコム証券 | 月平均保有額100万円につき 1ポイント (最大:年率0.24%) | 月平均保有額が3000万円以上でポイント2倍 多数のポイント集計除外ファンド |
低コストインデックスファンドの場合、auカブコム証券・マネックス証券はほぼ全ての商品がポイント付与対象外となるので候補から外れます。
また、楽天証券は還元率が最大0.048%と低いので、SBI証券(ポイント還元率:0.05%〜0.20%)での購入・保有がお得になります。
また、SBI証券はポイント還元プログラムで付与される「Tポイント」を投資信託の購入に充てられ事も可能です。
毎月自動積立を設定するなら「楽天証券」もお得
毎月の自動積立を設定するならSBI証券よりも楽天証券の方がお得です。
その理由は、楽天証券の場合、自動積立の決済手段に「楽天カード」を利用することで、積立額(支払い額)の1%分がポイント還元されるためです。
自動積立とは、毎月の決まった日(例:月末・毎月12日など)に自動で決まった額を買付するサービスです。銘柄(投資信託)・積立日・積立金額の3つを最初に決めれば、あとは自動で毎月定額の買い付けが行われます。
楽天証券の取引や楽天カードで貯めた貯めた楽天ポイントは、楽天市場でのお買い物や楽天サービスの決済に1pt → 1円として利用できるため、楽天カードで積立ことで無条件で1%分の投資利益を得ることができます。
また、楽天ポイントは、楽天市場での買い物だけでなく、投資信託の購入にも利用することができるので、積立の楽天カード決済で貯まったポイントを投信の再投資に当てることで、さらに運用効率を上げることができます。
本サイトでの楽天証券の最新キャンペーンの解説は、以下をご参考ください。