投資家の間で高配当株が注目を集めていますが、「買ってはいけない銘柄」や「おすすめしない条件」についても注意が必要です。
高い配当を得ることを目指す一方で、そのリスクを見落としてしまうことがあるかもしれません。
この記事では、高配当株についてオススメされない理由や避けるべき条件について探求していきます。
高配当株に興味を持つ投資家の方々にとって、潜在的な落とし穴やリスクを理解し、賢明な選択を行う手助けとなる情報を提供します。
高配当株おすすめしない!やめとけと言われる理由【5選】
高配当株への投資は一見して魅力的に映るが、その背景には複数のリスクやデメリットが隠れている。
この記事では、投資家たちが高配当株をおすすめしない理由を5つに分けて詳細に説明する。
これらの理由を十分理解し、配当収入だけでなく資産全体を考えた投資戦略を立てることが重要である。
- 高配当株には成熟企業が多いため株価の値上がり益(キャピタルゲイン)が狙いにくい
- 配当金が減る「減配」が起きた時の株価の下落リスクがある
- 配当金が課税対象である
- 投資資金が多くないと配当金だけで生活するのは難しい
- 資産形成のために配当金の再投資を行うのが面倒・手間
以下、それぞれの理由について詳しく解説していきます!
高配当株おすすめしないと言われる理由①:高配当株には成熟企業が多いため株価の値上がり益(キャピタルゲイン)が狙いにくい
成熟企業が多く含まれる高配当株は、安定した経営基盤を有する一方で、既に成長のピークを経過していることが少なくない。
これらの会社では、新規事業やイノベーションによる爆発的な成長を望むのは困難で、競争優位性の維持に重点を置いている状況が多い。
その結果、株価が大きく上昇することがレアケースとなり、キャピタルゲインを主たる投資成果と考える場合、高配当株は魅力を感じにくい。
長期にわたる株価のスタビリティは魅力だが、急激な成長や価値上昇を期待する戦略には必ずしも適していない。
高配当株おすすめしないと言われる理由②:配当金が減る「減配」が起きた時の株価の下落リスクがある
配当を重視する投資家にとって、配当金の削減や停止は重大な問題である。
経済状況の変化や企業業績の悪化により、企業は配当金を減額、もしくは未払いにする「減配」の決断を迫られることがある。
減配は市場にネガティブなシグナルとして受け止められ、株価の下落を引き起こす原因になり得る。
特に、配当収入を重視する投資戦略であればあるほど、こうしたイベントは資産価値に直接的な打撃を与えかねないリスクとなる。
したがって、減配の可能性を常に念頭に置き、投資ポートフォリオの多様化に努める必要がある。
高配当株おすすめしないと言われる理由③:配当金が課税対象である
投資家に支払われる配当金は所得とみなされ、税の対象となる。
したがって、高配当株から得られる収入にはその都度、税金が課されることになり、実際に手元に残る金額は配当額だけではない。
日本では配当所得に対して源泉徴収税が適用されるため、税金が差し引かれた金額が投資家に支払われることになる。
このような課税ルールは、特定口座におけるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など一部の制度を除き、投資リターンを圧縮する要因となるため、効果的な税対策と合わせて考慮しなければならない。
高配当株おすすめしないと言われる理由④:投資資金が多くないと配当金だけで生活するのは難しい
投資家の中には、配当金による収入で生計を立てたいと考える者もいる。
しかし、実際に配当収入のみで生活するには相当な投資資金が必要となる。
例えば、年間生活費が400万円と仮定した場合、年5%の配当を得ようとすると、投資資金は8000万円が必要になる。
この金額は多くの個人投資家にとって非現実的な金額である可能性が高く、配当金生活を目指すにはまず資産を形成することが先決となる。
投資を通じて安定した収益基盤を築こうとする際、リスク分散や資産成長戦略も重要な要素として検討すべきである。
高配当株おすすめしないと言われる理由⑤:資産形成のために配当金の再投資を行うのが面倒・手間
資産形成において、配当金を再投資することは複利効果を生み出す有効な手段である。
しかし、その過程は手間がかかり、計画的に行わなければならない。
配当金が支払われるたびに再投資の機会を見出し、手続きを行う必要があり、これが連続すると投資作業が煩雑になる。
また、再投資の際には市場状況に応じて適切な銘柄を選定する目利きも必要となる。
こうした手間をかけずに投資を行う場合、配当再投資計画(DRIP)などのプログラムを利用する選択肢もあるが、日本国内ではその利用が限られているため、手動での再投資が一般的である。
投資活動をより効率化するためには、このような手間かからない投資方法も併せて検討する必要がある。
こんな高配当株はオススメしない!やめとけ!買ってはいけない銘柄5つの条件
投資家の間で高配当株は人気がありますが、時にはそれが罠になることがあります。
今回はそんな魅力的に見える高配当株でも、オススメできない、購入を控えるべき銘柄の条件を5つご紹介します。
これらの条件に該当する銘柄は将来的なリスクが高まる可能性があるため、入念な調査と慎重な判断が必須です。
- 急に配当金が増えた銘柄
- 配当利回りが異常に高い銘柄
- 営業利益や経常利益が右肩下りで減っている企業
- 財務状況が悪い/負債の比率が増加傾向の企業
- 特別配当など一時的に増配しただけの企業
- 配当性向が高い企業/100%以上は要注意!配当余力がない可能性も!
以下、それぞれの条件について解説していきます!
おすすめしない高配当株の条件①:急に配当金が増えた銘柄
配当金が急激に増加した銘柄には注意が必要です。
企業が一時的な利益を配当として還元している場合、その増配は持続可能でない可能性があります。
例えば、資産の売却や異常な会計操作によって生じた臨時収益が原因かもしれません。
投資家はこうした銘柄について、配当の持続性やその背景を十分に検証すべきです。
事業の根本的な強さとは無関係の配当は、次第に減少あるいは停止する恐れがあるからです。
おすすめしない高配当株の条件②:配当利回りが異常に高い銘柄
配当利回りが極端に高い銘柄は投資の魅力を感じますが、その背後にリスクが潜んでいることがあります。
利回りが高い理由は株価が低くなっていることによる場合が多く、それは企業の業績や将来の見通しが厳しいことを意味することがあります。
業績が振るわず、市場がその企業の株を避けている状況下で配当利回りだけが際立ってしまうケースでは、資本が毀損するリスクを伴うため、注意が必要です。
おすすめしない高配当株の条件③:営業利益や経常利益が右肩下りで減っている企業
営業利益や経常利益が継続的に減少している企業の株は将来にわたって配当を維持できるかどうか疑問符がつきます。
利益の減少は競争力の低下、市場環境の変化、劣化した経営戦略など、様々な要因に起因する可能性があります。
慎重な投資を行うには、株価とともに企業の財務状況と収益性に焦点を当てた長期的な分析が不可欠です。
おすすめしない高配当株の条件④:財務状況が悪い/負債の比率が増加傾向の企業
財務状況が悪化している、あるいは高い負債比率を抱える企業は、高配当の銘柄であっても投資対象としては避けるべきです。
負債が財務を圧迫し、投資に対するリターンよりも借入金の利息負担の方が大きくなる恐れがあります。
企業が健康なバランスシートを維持し、将来的な成長投資に資金を充てられる能力がなければ、高配当が持続不可能となる可能性が高いためです。
おすすめしない高配当株の条件⑤:特別配当など一時的に増配しただけの企業
特別配当や臨時の利益還元を行った企業は、それが一過性のものである場合、将来的な配当水準を期待する投資家を失望させることになりかねません。
こうした配当は通常、一時的な収益の増大や非常に良い業績を背景として行われるものですが、継続性が保証されていないため、投資判断の際には慎重な評価が必要となります。
おすすめしない高配当株の条件⑥:配当性向が高い企業/100%以上は要注意!配当余力がない可能性も!
配当性向が100%を超える企業は、利益以上に配当を行っていることになるため、非常にリスクが高いと言えます。
これは企業が利益を効率的に再投資する機会を逃しているか、はたまた持続可能な配当を行うための内部留保が不足していることを示唆しています。
長期的な視点から見ると、こうした企業の財務は脆弱となりやすく、投資を避けるべき対象に含まれるでしょう。
高配当株をおすすめしない人は?
投資の世界ではさまざまな戦略が存在しますが、高配当株投資は魅力的な一つの選択肢とされています。
それでも、全ての投資家に適しているわけではありません。
特に、「配当金による収入を目指す」ことにフォーカスした場合、資産規模や投資方針によっては不向きな場合があるのです。
以下では、高配当株投資が適さない人の特徴を詳しく解説します。
- 投資資金が少ない人/資産規模が大きくないと配当生活はできない!
- 銘柄分析に時間も手間もかけたくない人/高配当株への投資は銘柄選別が欠かせない!
- 短期的な値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いたい人/高配当株はインカムゲインを狙う投資
以下、それぞれのケースについて詳しく解説していきます!
高配当株をおすすめしない人①:投資資金が少ない人/資産規模が大きくないと配当生活はできない!
高配当株への投資は、相応の資金が必要なうえ、受け取る配当金で生活を望むならば、それなりの資産規模が必要になります。
例え配当利回りが高くても、株式を少数しか保有していなければ、配当金での収入は限られてしまいます。
そのため、投資資金が少ない方や資産の積み上げがまだの段階の人には、配当収入を重要視する高配当株投資は推奨されません。
満足のいく配当生活を目指すには、充分な資金が不可欠であり、それには時間をかけた積立や資産の増大が前提となります。
高配当株をおすすめしない人②:銘柄分析に時間も手間もかけたくない人/高配当株への投資は銘柄選別が欠かせない!
高配当株への投資は、丁寧な銘柄選別が重要です。
しっかりとした企業分析を行い、安定した配当の支払いが見込めるか、財務状況は健全か、業績は堅調かなど、様々な角度から評価する必要があります。
投資に時間をかけたくない人、深い分析を好まない人にとっては、短期的な値動きを見るトレードの方が向いていることも多いでしょう。
配当収入を確保しつつ、長期保有を前提とした株式選びは、綿密なリサーチと忍耐力を必要とします。
高配当株をおすすめしない人③:短期的な値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いたい人/高配当株はインカムゲインを狙う投資
短期的な利益、すなわちキャピタルゲインを重要視するトレーダーには、高配当株が最適とは言えません。
高配当株の魅力はその名の通り、利回りの高さによる配当収入(インカムゲイン)にあります。
この戦略で重要なのは配当の安定性であって、株価の短期的な上昇を狙うものではありません。
株価が短期で急騰することを期待しての投資とは異なり、長期にわたって着実なインカムを得ることが目的です。
したがって、株価の動きを活用したトレードで利益を出したい方には、高配当株投資は合わず、他の投資手法を探るべきでしょう。
高配当株のおすすめの選び方は?
投資の1つの戦略として、高配当株の選定があります。
投資家が望む安定収益を得るには、適切な銘柄選びが重要です。
高配当株を選ぶ際に考慮すべきポイントを押さえ、企業の将来性と配当の持続可能性に注目しましょう。
- 売上高や利益が減少していない銘柄/できれば右肩上がりの利益成長
- 財務状況が良い企業/できれば自己資本比率が30%以上
- 過去の配当実績が良い企業/できれば減配していない銘柄
- 配当の余力がある企業/できれば配当性向が50%以下
- 配当利回りが3%で極端に高くない銘柄
以下、それぞれの選び方についてみていきます!
高配当株の選び方①:売上高や利益が減少していない銘柄/できれば右肩上がりの利益成長
高配当株を選ぶ際、最も注目すべきは企業の収益性です。
長期にわたり安定した配当を実現している企業は、売上や利益が減少しておらず、可能であれば利益が成長している状態が望ましいでしょう。
右肩上がりの利益成長は、持続可能な高配当の指標と考えられるため、企業の財務諸表を確認し、安定した成長を見せているかを評価します。
特に、不況時でも業績を維持している企業は、経済の波に強いと言えるでしょう。
高配当株の選び方②:財務状況が良い企業/できれば自己資本比率が30%以上
安定した配当を提供する企業は、健全な財務状況が必要不可欠です。
優れた財務健全性の指標として、自己資本比率が挙げられます。
自己資本比率が30%以上の企業は、財務安定性が高く、借入依存が少ないことが多いです。
また、不測の事態が生じた際のリスクに対する耐性があり、投資家に安心を提供します。
財務健全性を確認することで、将来の配当の安定性について、ある程度の信頼性を見込むことができるでしょう。
高配当株の選び方③:過去の配当実績が良い企業/できれば減配していない銘柄
高配当株を探す場合、過去の配当実績が重要な手がかりとなります。連続して配当を実施している企業、特に減配せずに配当額を維持または増やしている銘柄は、配当への姿勢が堅実であることが期待できます。
減配を行わない企業は経営の安定性が高い傾向にあり、投資家にとって長期保有に適したターゲットと言えるでしょう。
過去数年間の配当傾向を分析することで、その企業が投資家へ向けた配当への価値観を推測することが可能です。
高配当株の選び方④:配当の余力がある企業/できれば配当性向が50%以下
配当を行う余力は、業績だけでなく支払能力に密接に関連しています。
利益から配当を行うため、企業の配当性向を見ることが大切です。配当性向が50%以下であれば、利益の半分以下を配当に回しても企業の成長投資資金や将来に備えた内部留保を確保できることになります。
そのため、配当性向が低ければ低いほど、将来的に配当を維持、あるいは増やすことができる可能性が高まります。
企業が利益をどの程度株主に還元しているか、配当余力を把握することは、投資判断に至る重要なファクターです。
高配当株の選び方⑤:配当利回りが3%で極端に高くない銘柄
配当利回りが高い銘柄は魅力的に映るかもしれませんが、過度に高い利回りは企業に潜むリスクを示唆する場合があります。
配当利回りが市場平均を大幅に上回る場合、市場が感じる企業リスクが反映されていることが考えられます。
そのため、配当利回りは3%前後程度の銘柄の中から選ぶことが良いとされます。
ただし、極端に低い利回りの銘柄では望む収益を得られない場合もありますので、市場状況を踏まえた上でバランス良く銘柄を選定することが肝要です。
過去の配当実績や企業の財務状態と合わせて、配当利回りも投資判断の一環として考慮しましょう。
高配当株おすすめしない?やめとけ【まとめ】買ってはいけない銘柄は?
まとめると、高配当株をおすすめしない理由はいくつかあります。
まず、減配リスクがあることです。企業の業績が悪化すると、配当金が減らされる可能性があります。
また、税負担もデメリットの一つです。高配当を受け取ると、税金の負担も増えるため、その点にも注意が必要です。
さらに、買ってはいけない高配当株の特徴も挙げられます。
例えば、企業業績が悪化している銘柄には注意が必要です。
配当を多く出している一方で、企業の収益や成長性が低下している場合、将来的に配当が減らされる可能性もあります。
高配当株を選ぶ際には、配当利回りだけでなく、他の要素にも注目する必要があります。
例えば、企業の財務状況や成長性、業界の競争状況などを考慮しましょう。
また、配当政策や過去の配当履歴も重要な情報です。
安定的な配当を維持している企業や、将来的な成長が期待される企業を選ぶことが重要です。
高配当株を選ぶ際には、配当利回りだけでなく、企業の業績や財務状況、過去の配当履歴などを総合的に判断しましょう。
リスクを適切に評価し、自身の投資目標に合った銘柄を選ぶことが大切です。高配当株にはリスクもあるため、慎重な選択が求められます。