「SPYD」についてお勧めするべきかどうかについて、そのデメリットやメリット、理由・購入のコツに焦点を当て、詳細に探っていきます。
高い配当利回りに魅力を感じる一方で、大幅減配の過去や市場の変動に弱い側面も指摘されています。
本稿では、SPYDの特性と将来性を考察しつつ、投資家が賢く選択するためのポイントや注意点について解説します。
SPYDに投資を検討する際に役立つ情報が満載です。
SPYDおすすめしないと言われる理由は?
SPYDとは、S&P500の高配当銘柄に焦点を当てたETFであり、高い配当利回りが期待できる商品です。
しかし、投資する際にはメリットだけでなくデメリットを考慮することが重要です。
ここでは、SPYDを推奨しない声がなぜ存在するのか、具体的な理由を詳しく見ていきましょう。
- VYMなど他の高配当ETFと比較して増配の実績が少ない
- 減配の実績が多く8割程度の大幅減配の過去も
- VYMやHDVなど他の高配当ETFと比較して株価の下落が大きい
- 金融や不動産など景気敏感セクターの比率が大きく景気の影響を受けやすい
- 米国ETFなので分配金等に米国課税がかかる
ここから、それぞれの理由について説明していきます!
SPYDおすすめしないと言われる理由①:VYMなど他の高配当ETFと比較して増配の実績が少ない
SPYDは配当利回りが高いことで注目を集めていますが、増配の実績では他の高配当ETFに劣る場合があります。
たとえばVYMは、より長い期間にわたる増配の歴史を持ち、配当の成長性が見込まれます。投資家にとって配当成長は重要で、一時的に高い配当を得られるよりも、長期的に増加する配当が資産形成に貢献します。
増配の少なさはSPYDの魅力を損ねる要因と捉えられており、VYMなど他の高配当ETFとの比較では評価が劣ることが理由の一つとなっています。
SPYDおすすめしないと言われる理由②:減配の実績が多く8割程度の大幅減配の過去も
SPYDは市場の不安定さに影響されやすく、大きな減配を経験している点も投資家にとっては大きな問題です。
過去には配当を8割程度減らす事態もありました。
配当収入の安定性を重視する投資家からは、このような減配のリスクは大きなデメリットとされています。
安定した利益を求める傾向がある中で、配当の減少は受け入れがたい出来事であり、この不安定さがSPYDが推奨されない理由の一つです。
SPYDおすすめしないと言われる理由③:VYMやHDVなど他の高配当ETFと比較して株価の下落が大きい
SPYDに投資する際の別の懸念点は、株価のボラティリティです。
株価が大きく下落することがあり、たとえば市場の落ち込み時にはVYMやHDVといった他の高配当ETFよりも株価がより大幅に下がる傾向があります。
これは、保有する銘柄の選定基準やセクター構成に起因する部分が大きく、投資リスクの高さが懸念されるため、一部の投資家はSPYDを避ける理由としています。
SPYDおすすめしないと言われる理由④:金融や不動産など景気敏感セクターの比率が大きく景気の影響を受けやすい
SPYDは金融、不動産といった景気敏感セクターへの投資比率が高いことが特徴です。
これにより経済の波に敏感に反応し、景気の良し悪しによってETFのパフォーマンスが大きく左右されます。
経済が好調な時期には高い配当利回りを享受することができますが、不況時には逆に大きな損失に繋がりかねません。
景気循環の影響を受けやすいという点がSPYDへの投資を敬遠させる一因となっています。
SPYDおすすめしないと言われる理由⑤:米国ETFなので分配金等に米国課税がかかる
SPYDは米国のETFであるため、配当金に対して米国の税法が適用されます。
これは非米国居住者にとっては注意が必要で、特定の条件下で外国人投資家には30%の源泉税が課される場合があります。
税金が高くなると、実質的な収益率が下がり、投資効率が悪化します。
このため、節税対策を十分に理解し計画しないと、税金の負担が投資成績を圧迫することになりかねず、一部の投資家がSPYDをおすすめしない理由の一つとしています。
SPYDおすすめしない?デメリット・危険性は?
SPYDは高配当を狙えるETFとして人気がありますが、投資には常にリスクが伴います。
そこで、SPYDを選択する際に認識しておくべきデメリットや危険性を考察します。
このような知見を持つことで、投資家は自身の投資戦略をより精緻に練ることができるでしょう。
- 利回り重視のETFなので株価の上昇によるキャピタルゲインが期待できない!
- 高配当株から構成されるETFなので成熟企業が多い
- 組み入れ銘柄数がそこまで多くない/分散効果が低め
- ETFの設定から運用歴がそこまで長くない
- 為替の変動や購入の際に為替手数料が発生する
以下、各デメリットについて説明していきます!
SPYDのデメリット・注意点①:利回り重視のETFなので株価の上昇によるキャピタルゲインが期待できない!
SPYDは利回りを重視したETFですが、それには一定の代償が伴います。
利回りが高いと言われる銘柄は、その分株価の成長が鈍る傾向があるため、キャピタルゲインを主眼に置く投資家には不向きかもしれません。
特に長期での価格上昇率を重要視する方は、異なる戦略のETFを検討する必要があるでしょう。
配当狙いの投資家でも、配当で得た利益を再投資することで価値の成長を狙う戦略が取りにくくなります。
SPYDのデメリット・注意点②:高配当株から構成されるETFなので成熟企業が多い
SPYDは高配当株をピックアップして構成されているため、概して成熟企業が多いという特徴があります。
成長余地が限定的であるため、景気変動に敏感な新興企業などから得られる可能性のある急激な株価の上昇を見込むことは難しいでしょう。
さらに成熟企業は市場の変化に対する柔軟性も低く、経済環境が急激に変化した場合、その影響を受けやすい傾向にあります。
SPYDのデメリット・注意点③:組み入れ銘柄数がそこまで多くない/分散効果が低め
ETFの一般的な利点は、多数の銘柄に分散投資できることにありますが、SPYDには組み入れられる銘柄数が限られているため、分散効果が低いと言わざるを得ません。
これは、特定の銘柄やセクターの影響を受けやすい状況を生み出す可能性があるため、経済変動によるリスクへの露出度を高めることにもなります。
投資家はこれらの点を踏まえ、自身のポートフォリオ全体でのバランスを考慮する必要があります。
SPYDのデメリット・注意点④:ETFの設定から運用歴がそこまで長くない
SPYDは比較的新しいETFとして市場に登場しています。
そのため、運用歴が長い他の投資商品と比較して、市場の様々な状況下での運用実績が少ないのです。
長期的な運用結果が確認しにくいため、将来のパフォーマンス予想を立てる際の不確実性が大きくなります。
長い歴史を持つETFやファンドと比較して投資を検討する際は、この点を考慮することが重要です。
SPYDのデメリット・注意点⑤:為替の変動や購入の際に為替手数料が発生する
日本から米国株式市場へ投資する際、為替の変動は見過ごせない要素の一つです。
特に海外のETFに投資する際は、為替レートの変動により収益性が影響を受ける可能性があります。
また、取引の際には為替手数料が発生するため、取引コストも考慮する必要があるのです。
円とドルの変動は計画的な投資戦略を立てる上で無視できないため、為替リスクを考慮することが肝要です。
SPYDはおすすめしない?SPYDの特徴は?
投資戦略に合わせ、SPYD(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)が適切かどうかは異なります。
高配当を重視するETFの一つとして知られ、特に配当重視の長期投資家に注目されています。
しかし、リスク許容度や市場の状況によっては、他の成長志向のETFの方が適している場合もあります。
- そもそもSPYDとはどんなETF?
- SPYDの構成銘柄・組み入れ上位銘柄
- SPYDの業種・セクター別の構成比率
- SPYDの配当金額や利回り、株価の推移
以下、各ポイントについて、一つずつ見ていきます!
そもそもSPYDとはどんなETF?
SPYDは、S&P 500の中から高配当の株式を選出して構築されたETFです。
具体的には、S&P 500の上位80社の高配当株を対象にしており、配当利回りを重視する投資家に適しています。
配当に注目する理由としては、長期的なキャピタルゲインと共に、定期的なキャッシュフローを得られる点が挙げられます。
また、経済的な不透明感が高まる時期には配当株はその安定性から人気を集める傾向にあります。
SPYDの構成銘柄・組み入れ上位銘柄
SPYDは配当利回りが高い米国株に焦点を当てており、特定の銘柄に偏りがないように留意されています。
そのため銀行業やエネルギー業、ユーティリティーなど多岐にわたる業種から成り立っております。
上位銘柄にはAT&TやExxon Mobilなど、長期にわたって安定した配当を提供している企業が含まれています。
これら銘柄は経済のサイクルにかかわらず、一定の収益を投資家に還元する傾向にあります。
SPYDの業種・セクター別の構成比率
SPYDのセクター構成は、選定される銘柄によって変動がありますが、概ね不動産、金融、エネルギー、ユーティリティー、通信サービスセクターが中心です。
これらのセクターは景気の影響を受けにくいまたは周期的な利益を生む企業が多く、安定的に高配当を実現しやすい傾向にあります。
ただし、セクター構成の偏りによっては市場全体の動きと連動しないリスクを持つことも覚えておく必要があります。
SPYDの配当金額や利回り、株価の推移
SPYDの配当金額や利回り、株価の推移はインカムゲインを重視する投資家にとって特に関心が高い点です。
基本的には高配当銘柄に投資しているため、市場平均を上回る利回りを期待することができます。
株価の推移については、高配当銘柄の性質上、市場の揺れには比較的強い傾向があるものの、経済の波や銘柄の業績に左右される部分もあるため、投資は慎重に行う必要があります。
SPYDはおすすめしない?SPYDのメリットは?購入する時のコツは?
SPYDは、高配当を求める投資家に人気のETF(上場投資信託)です。
しかし、投資にはリスクが伴うため、一概におすすめできるかは個人の投資戦略やリスク許容度に依存します。
それでも、SPYDにはいくつかの魅力的なメリットがあり、投資する際のコツも存在します。
より適切なタイミングで投資を行い、長期の資産形成を目指しましょう。
- 少額から高配当株に分散投資ができる
- 運用中にかかる手数料「経費率」が安め
- 利回りが高い!高配当が期待できる!
以下、各メリットについて解説していきます!
SPYDのメリット①:少額から高配当株に分散投資ができる
SPYDはS&P500の中でも高配当銘柄に焦点を当てたETFであり、個別の高配当株を選ぶ手間やリスクを抑えながら分散投資が可能です。
高配当株への投資は、通常個別銘柄の研究や大きな投資資金を必要とするため、手間とコストがかかります。
しかし、SPYDを利用することで手軽に広範な産業セクターにまたがる高配当銘柄にアクセスでき、少額からでも効率的に投資を始めることができます。
SPYDのメリット②:運用中にかかる手数料「経費率」が安め
ETFの選択に際して、経費率は重要な要素の一つです。
高い経費率は長期的なリターンを圧迫することになるため、できるだけ低い経費率の商品を選びたいものです。
SPYDは比較的経費率が低いETFとして知られており、長期保有を前提とする投資家にとって魅力的です。
長期投資の効果を最大化するためにも、経費率の低さは投資家にとって有利な条件となります。
SPYDのメリット③:利回りが高い!高配当が期待できる!
SPYDは特に高い利回りが魅力のETFです。通常のS&P500に比べてより多くの配当を目指すことができるため、収益性の高い投資先として注目されています。
特に、定年後の収入源としての配当金や、資産形成の一環としての再投資など、長期的な収益を目指す場合におすすめです。
ただし、利回りが高い銘柄はリスクも伴うため、その点は留意が必要です。
SPYDの買い時は?暴落時にポートフォリオの一部として購入するのはアリ
SPYDを購入する最適なタイミングは、株式市場が下落している暴落時です。
価格が下落している時に購入することで、より多くの配当利回りを得る機会が増え、リスクの分散とポートフォリオの構築が効果的に行えます。
ただし、市場のタイミングを常に計ることは容易ではないため、分散投資を心がけ、投資額の管理に留意すべきです。
また、投資の基本として、資金の余裕を持って行動することが肝要です。
SPYDおすすめしない?【まとめ】メリットやデメリットは?
まとめると、SPYDをおすすめしない理由は以下の点が挙げられます。
まず、SPYDの成長性に疑問があります。過去の運用成績を見ても、株価の上昇が期待できない傾向が見られます。
また、株価下落リスクも存在します。株式市場は変動が激しいため、株価が下落する可能性もあります。
また、SPYDを購入する際には注意が必要です。まず、投資目的やリスク許容度を考慮することが重要です。
高配当株にはリスクが伴うことを理解し、投資判断を行う必要があります。
また、分散投資をすることでリスクを分散させることも重要です。
単一の銘柄に偏った投資はリスクが高まりますので、複数の銘柄に投資することをおすすめします。
一方、SPYDのメリットとしては、安定した配当利回りが期待できる点が挙げられます。
高配当株に投資することで、定期的な配当収入を得ることができます。
また、米国高配当指数に連動するため、米国の高配当株に分散投資することができます。
SPYDを購入する際のコツとしては、長期的な視点で投資することが重要です。
株式市場は短期的な変動が激しいため、短期的なトレードではなく、長期的な成果を期待することが大切です。
また、定期的に市場動向や配当利回りなどをチェックし、適切なタイミングで売買することも重要です。
以上がSPYDをおすすめしない理由やデメリット、メリット、購入のコツについてのまとめです。
投資を行う際には、自身の投資目的やリスク許容度を考慮し、慎重に判断することが大切です。
十分な情報収集と考察を行い、リスクを最小限に抑えた投資を心がけましょう。