高配当株は一見投資家にとって魅力的な資産ですが、その実態は慎重に検討すべきものとなっています。
買ってはいけない高配当株を見分けるためには、企業の業績や配当の持続可能性を注意深く分析することが肝要です。
本記事では、買ってはいけない高配当株の特徴をわかりやすく解説し、投資家がリスクを回避しながら賢明な投資判断を行う手助けとなる情報を提供していきます。
買ってはいけない高配当株は?
高配当の株式は一見すると魅力的ですが、中には投資を避けるべきケースも存在します。
安易に高配当に惑わされることなく、長期的な安定した収益を求める投資家は、注意を払うべき特徴を把握しておく必要があります。
本記事では、買ってはいけない高配当株に付きもののサインについて詳しく解説していきます。
- 企業の業績が良くない/営業利益や経常利益が減少している
- 配当の余力が少ない配当性向が高い銘柄/配当性向100%に近い銘柄は特に注意
- 配当利回りが高すぎる銘柄/業績の悪化による株価の下落が起きている可能性も!
- 記念配当や一株利益(EPS)の一時的な上昇で急に配当金が上昇した銘柄
- 不祥事などのトラブルを起こしたことがある企業
ここから、それぞれの特徴やメリットについて見ていきます!
買ってはいけない高配当株の特徴①:企業の業績が良くない/営業利益や経常利益が減少している
企業の本質的な価値と結び付いていない場合の高配当は、リスクを孕んでいます。
特に営業利益や経常利益が減少するなど、業績の悪化が見えるときは警戒が必要です。
利益の源泉が枯渇することで、将来的な配当の持続性に疑問が生じ、投資としての魅力を失うことになりがちです。
業績が低迷する要因を分析し、投資判断に反映させることが重要でしょう。
買ってはいけない高配当株の特徴②:配当の余力が少ない配当性向が高い銘柄/配当性向100%に近い銘柄は特に注意
利益に占める配当金の割合を意味する配当性向が高い銘柄は、配当金を支払う余力が少ないことを示しています。
特に配当性向が100%に近い、あるいはそれを超えている企業は、将来にわたって安定した配当を約束できない可能性が高いです。
そのような企業は、資金の捻出に苦しむリスクがあるため、注意が必要です。
買ってはいけない高配当株の特徴③:配当利回りが高すぎる銘柄/業績の悪化による株価の下落が起きている可能性も!
配当利回りが異常に高い銘柄は、株価の下落によりそうなっているケースがあります。
一般的に株価は企業の将来性を反映しますが、悪化する業績に対して株価も下落するのが常です。
その結果、配当利回りが上昇するという構造です。
株価の低迷が一時的なものかどうか、慎重な分析を経て判断することが肝要です。
買ってはいけない高配当株の特徴④:記念配当や一株利益(EPS)の一時的な上昇で急に配当金が上昇した銘柄
企業が記念配当や特別な業績向上により一時的に配当金を増やすことがあります。
しかし、これらは通常、持続的でない場合が多く、今後同様の配当金額を維持できるとは限りません。
特別な要因による配当アップの背後にある本質的な価値や将来性を見極めることが大切です。
買ってはいけない高配当株の特徴⑤:不祥事などのトラブルを起こしたことがある企業
不祥事を起こした過去のある企業は、信用を失いがちで、事業の持続可能性に暗い影を落とします。
投資家の間で信頼が失われると、株価が不安定になることがあり、そういった企業からの高配当はリスクが伴います。
過去の不祥事がどの程度解決され、企業が信頼を回復するためにどのような措置を講じているかを検証することが重要です。
高配当株がおすすめできないと言われる理由・デメリットは?
投資家の中には高配当株に魅力を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
なぜなら、定期的な配当金によって安定した収益が得られると考えるからです。
しかし、こうした株式にも落とし穴があります。その理由を掘り下げ、高配当株への投資が必ずしも最適ではない状況について詳しく見ていきましょう。
- 企業の業績や財務悪化により減配が起きると株価が大きく下落する
- 高配当株には成熟企業が多いため値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いにくい
- 配当金だけで生活するには大きな投資資金が必要
以下、各デメリットについて解説していきます!
高配当株のデメリット①:企業の業績や財務悪化により減配が起きると株価が大きく下落する
高配当株の最大のリスクの一つに、減配が挙げられます。
規模の大きな利益を上げている時期には、企業は株主に対しても厚い配当を提供することができますが、経済環境の変化や事業戦略の失敗などにより業績が悪化すると、配当金の支払いが持続できなくなることもあります。
特に高配当を謳っている企業では、配当金の減少が宣言された際に、投資家の期待を裏切る形となるため、株価は大きく下落することがあります。
結果として短期的な収益機会を逃すだけでなく、長期的に資産価値を減少させる原因にもなりかねないのです。
高配当株のデメリット②:高配当株には成熟企業が多いため値上がり益(キャピタルゲイン)を狙いにくい
高配当の恩恵を受けることはできますが、それが必ずしも投資家にとって利益となるわけではありません。
なぜなら、成熟市場に属しており成長の鈍化がみられる企業が高配当株として分類されることが一般的だからです。
イノベーションが少なく、市場での競争力が衰え始めている企業は、株価の大幅な上昇を期待することが難しく、資本成長の面ではアピールが低いです。
投資家は配当金に注目する一方で、株価の上昇による資産増加を享受する機会を逸してしまう可能性があります。
これは長期投資を行うにあたり、特に熟考すべき点です。
高配当株のデメリット③:配当金だけで生活するには大きな投資資金が必要
多くの投資家が高配当株に注目する理由の一つに、安定収入としての配当金にある安心感があります。
しかし、実際に配当金だけで生活しようと計画する場合、膨大な初期投資が必要となります。
配当利回りが高くても、それが生活費に充てられるほどであるには、相応の投資金額が求められるからです。
例えば年間で数百万円の配当金を目指すなら、その何倍もの資金が必要になります。
また、税金の問題もあり、配当収入が増えるほど税負担も重くなるため、実際の手取り額としては計算上の配当収入よりも少なくなります。
このように、配当金だけで生計を立てる戦略は多くの資金と緻密な計画を必要とするのです。
買ってはいけない高配当株は?高配当株のメリットは?
高配当株とは投資家に対して利益を配当として還元する割合が高い株式のことであり、一定のメリットを提供します。
しかし、株価が安定しない企業や業績が悪化しているにも関わらず高配当が続いている銘柄は、将来の配当維持が危ぶまれるため避けるべきです。
正しい知識を持ち、配当利回りだけでなく、企業の財務健全性も検討することが重要です。
- 配当金という安定した収入源を得られる
- 新興市場の価格変動が大きい株式よりは初心者に取り組みやすい!
以下、各メリットについて説明していきます!
そもそも高配当株とはどんな銘柄?
高配当株は通常、利益の大部分を株主に還元する形で配当を行い、配当利回りが高い銘柄を指します。
多くの場合、安定した経営基盤を持つ大企業や公益企業がこのカテゴリに含まれ、景気変動の影響を受けにくい特性があります。
こうした銘柄は安定したキャッシュフローを生み出し、それを株主に分配することで、投資家からの信頼を獲得しています。
しかし、業績の基盤が弱まっているのに高配当を維持しようとする企業もあり、そのような銘柄は投資のリスクが高まる可能性があります。
高配当株のメリット①:配当金という安定した収入源を得られる
高配当株を所有する最大のメリットは、配当金を通じて安定した収入源を得ることができる点です。
経済情勢に左右されにくい企業からの配当は、資産を増やしたいインカムゲインを狙う投資家にとって魅力的です。
さらに、配当再投資を行うことで複利効果を享受し、長期的には波乱の市場環境下でも資産を安定して増やすことができます。
退職後の所得補完手段としても選ばれることが多く、リタイアメントプランの一環として高配当株への投資を考える人は少なくありません。
高配当株のメリット②:新興市場の価格変動が大きい株式よりは初心者に取り組みやすい!
高配当株は価格変動が大きい新興市場の株式に比べて、初心者が取り組みやすいという特長もあります。
新興市場は急成長を遂げる企業が多く見受けられますが、その反面、株価が大きく変動するリスクも伴います。
それに対し、配当利回りが高く安定している銘柄は、少ない波動で投資の基礎を学べる優れた練習場になり得ます。
配当収入を通じて、株式投資に対する理解を深めながら慣れ親しむことで、長期的に見て投資スキルの向上につながることが期待できるでしょう。
買ってはいけない高配当株は?高配当株を選ぶポイントは?
投資を成功させるためには、高配当株を選ぶ際のポイントを把握し、避けるべきリスクが高い銘柄に気をつける必要があります。
高い利回りに惹かれがちですが、配当の持続可能性や企業の将来性などを考慮することが重要です。
- 配当性向が高すぎない銘柄を選ぶ/できれば配当性向が50%以内
- 長期的に安定した業績・利益を上げている企業を選ぶ
- 事業内容や業種・セクター全体の将来性が高いものを選ぶ
以下、それぞれのコツについて、一つずつ見ていきます!
買ってはいけない高配当株を選ばないコツ①:配当性向が高すぎない銘柄を選ぶ/できれば配当性向が50%以内
配当性向とは、利益のどれだけを配当に回しているかを示す指標です。
高配当株を探す際、配当性向が極端に高い銘柄はリスクが伴います。
一般的には配当性向50%以下の銘柄が、利益を再投資する余力を持ちつつ安定した配当を維持しやすいとされています。
配当性向が過剰に高いということは、企業が成長に向けた再投資を疎かにしている可能性や、配当を維持するために経営に無理が生じている恐れがあるため、注意が必要です。
買ってはいけない高配当株を選ばないコツ②:長期的に安定した業績・利益を上げている企業を選ぶ
安定的に配当を支払うことができる企業を見極めるには、その企業の業績と利益の安定性に注目する必要があります。
近年の業績だけでなく、過去数年間の財務状況や利益の推移をチェックし、その安定性を見極めるべきです。
変動の少ない収益構造と、市場環境の変化に強いビジネスモデルをもつ企業は、長期にわたる配当の支払い能力が高い傾向があります。
ただし短期的な業績回復による一時的な配当増は継続性に疑問が残るため、慎重な判断が求められます。
買ってはいけない高配当株を選ばないコツ③:事業内容や業種・セクター全体の将来性が高いものを選ぶ
高配当株を選ぶ際に重要なのは、企業の現在の業績だけでなく、事業の将来性や成長力にも目を向けることです。
持続可能な配当の支払いは、企業が市場内で競争力を持ち続け、将来的に成長を遂げられるかに大きく依存します。
特に注目すべきは、技術革新や社会のトレンドに対応したビジネスモデルを展開しているか、安定した市場での地位を確立しているかなどです。
成長が見込まれるセクターや、長期的な社会の需要に沿った事業展開をしている企業は、投資家にとって魅力的な選択肢となりえます。
買ってはいけない高配当株【まとめ】デメリットや選ぶポイントは?
まとめると、高配当株を選ぶ際にはいくつかのポイントに注意する必要があります。
まず、配当利回りが高すぎる株には注意が必要です。
高配当利回りは魅力的に見えるかもしれませんが、それは企業の株価が下落している可能性があることを示しています。
株価が下落している銘柄に投資すると、資産価値が減少し、損失を被る可能性があります。
さらに、配当性向が高すぎる株も避けるべきです。配当性向とは、企業の利益の一部を配当として支払う割合を示します。
配当性向が高い場合、企業が将来の成長に必要な資金を投資に回すことができなくなる可能性があります。
したがって、配当性向が適正なバランスを保っているかを確認することが重要です。
また、利益が減っている企業の株も買わない方が良いでしょう。
利益が減少している企業は、将来の配当支払いに不安がある可能性があります。
利益の減少が継続する場合、減配や配当停止のリスクも考えられます。
一方で、手堅い高配当株を選ぶためにはいくつかの条件を考慮することが重要です。
まず、企業が安定的な収益を上げていることが望ましいです。
安定した収益を上げる企業は、将来の配当支払いにも安定性を持つ可能性が高いです。
さらに、企業の財務状況もチェックする必要があります。健全な財務状況を持つ企業は、将来の配当支払いを維持するための余裕を持っています。
最後に、業種や市場のトレンドも考慮することが重要です。
将来の成長が見込まれる業種や市場で、高配当株を選ぶことで、資産価値の増加や将来のキャピタルゲインの可能性も期待できます。
したがって、高配当株を選ぶ際には、配当利回り、配当性向、利益の動向、企業の収益性や財務状況を精査することが重要です。