新興国株式はおすすめしない？インデックスファンドは不要？メリットやおすすめ銘柄は？

新興国株式が「おすすめしない！」「不要！」と言われる理由は、全世界株式のインデックスファンドに10%程度入ってるためです。

そのため、新NISA（つみたて投資枠）など、低コスト分散投資が重要となる長期運用では、eMAXIS Slim全世界株式（オールカントリー）だけでも十分と言えます。

新興国株式はおすすめしないと言われる理由は？

新興市場への投資は世界的に多様性をもたらし、ポートフォリオの地理的拡大が可能です。

しかし、多くの投資アドバイザーが新興国株式の投資を慎重に行うように勧めています。

その主な理由は、先進国市場に比べてより多くの不確実性が存在し、予期せぬ価格変動が生じやすいことです。

また、新興市場は通常、政治的・経済的リスクが先進国よりも高く、これらが株価に影響を及ぼし得ます。

さらに、高い為替リスクやファンドの手数料なども投資家の懸念材料となります。

ここでは、新興国株式の投資をためらう理由について詳しく掘り下げます。

おすすめしない①：先進国と比べると経済・政治のリスクがあり価格変動が大きくなりがち

新興国の経済は成長段階にあり、政治環境も不安定なことがよくあります。

これにより、政治的リスクや経済リスクの変動が大きく、投資の安定性に影響を及ぼす要因となります。

例えば、不正選挙や政治的な混乱が発生すると、市場に直接影響を与え、株価が大きく変動する可能性があります。

経済面では、急速な成長からくるインフレーションや過度の外国債務、資源価格の変動などが株価への影響を引き起こします。

これらのリスクの影響を受け、新興国株式は先進国株式に比べると価格の変動が大きくなりがちであり、投資家はそのボラティリティを理解し、リスク管理を徹底する必要があります。

おすすめしない②：リスクの割にリターンが高くない！米国株式市場のパフォーマンスに劣る年が多い

歴史を振り返ると、新興国市場の株式は豊かなリターンを提供することがありましたが、一方でリスクが伴います。

時には先進国市場、とりわけ米国株市場のパフォーマンスに届かない年も少なくありません。

データからは、高い経済成長率にもかかわらず、新興国株式のリターンが米国市場に劣ることが示されています。

これはマクロ経済の動向、国内政策の変化、世界経済の要因が複雑に絡み合い、期待される成長に見合うリターンが得られないことが多いからです。

投資家はリスク対応のリターンを重視し、新興国株式が期待を満たさず、より安定した先進国市場への投資を求める傾向にあります。

おすすめしない③：構成比率の高い中国や台湾・インドなどの影響を受けやすい

新興国市場は特定の国々、特に中国、台湾、インドなどの影響を受けやすい市場構造をしています。

これら大国の経済状況や政治的な判断が新興国全体の株式市場に直接影響を与えることがあります。

例えば中国の成長鈍化や国有企業への規制強化などは、新興国マーケット全体に悪影響を及ぼす可能性があります。

台湾やインドでも同様に、これらの国々の動向がファンドのパフォーマンスに大きく影響し得るため、地域集中リスクが重要な懸念点となります。

投資家は、個々の国のリスクだけでなく、全体としての新興国市場のリスクについても考慮する必要があります。

おすすめしない④：新興国通貨の影響を受ける/為替リスクがある

投資において為替リスクは無視できません。

新興国通貨はしばしば大きな変動を見せることがあり、これが投資リターンに直接影響を与えます。

地政学的要因、通貨政策、内外の経済状況の変化などにより、新興国通貨は価値が大きく上下することがあり、これによって投資のリターンが侵食されることもあります。

さらに、新興国通貨は流動性が低いことが多く、急な資本の流出が発生した際には通貨価値の大幅な下落につながる可能性があり、投資家にとっては大きなリスクとなるでしょう。

おすすめしない⑤：新興国株式ファンドの手数料（信託報酬）が高め

新興国株式ファンドには投資する際、その手数料にも注意を払う必要があります。

編成や運営のコストが高く、これがファンドの手数料（信託報酬）として投資家に反映されることがあります。

高い手数料は投資リターンを減少させる要因となり得るため、投資家はコストとリターンのバランスを重視することが必要です。

また、市場へのアクセスが限定されている場合やリサーチにコストがかかる新興市場の特性が、これらの高い手数料につながることも多いのです。

これらの要因を総合すると、新興国株式はリスクを厳密に管理する必要があり、すべての投資家に適しているわけではないのが現実です。

高いリターンへの期待もありますが、それに見合うリスクを受け入れられる投資家に限られるでしょう。

新興国株式へ投資する際の注意点・デメリットは？

新興国への投資は、高い成長潜在力に魅力がある一方で、多くのリスクをはらんでいます。

リスクを承知し、投資する際には、国や地域特有の事情に精通し、慎重に分析することが求められます。

新興国株式への投資では、景気変動の影響を受けやすいことや、政治的、経済的不安定さなどのデメリットに注意する必要があります。

新興国株式市場の注意点①：GDPの成長率は高いが必ずしも株価と連動しない

新興国経済はしばしば高いGDP成長率を記録しますが、これが株価に直結するわけではありません。

まず経済成長は、企業の収益向上へと直結するわけではありませんし、市場の期待感とも異なる場合が多いです。

例えば、特定の産業のみが成長を牽引している場合、全体の株価には影響しないこともあります。

また、内政の不安定や法的な規制の変更、外交問題など、政治経済の要素も株価に大きく影響します。

さらに通貨リスクも存在し、本国通貨の価値が低下することで外国投資家の収益は減少します。

従って、新興国の株式投資では、長期的な視野で経済動向を分析し、各種リスクを慎重に評価しなければなりません。

新興国株式市場の注意点②：人口ボーナスを享受できない国が増加傾向

新興国株式市場において、かつては人口増加が経済成長の大きな原動力とされていましたが、最近ではそれを享受できない国が増えています。

労働力人口の増加は消費拡大や新たなビジネスチャンスの創出につながる一方で、就業機会の減少や社会保障への負担増大といった問題も発生します。

特に高い若年失業率を抱える国や、労働人口の質よりも量が増えている国では、人口ボーナスを経済成長に結びつけるのが難しくなっています。

さらに、人口高齢化が進む国では、サポートされるべき高齢者人口が増えるため、将来の経済成長が鈍化する可能性もあります。

投資を検討する際には、その国の人口動態が経済にどのような影響を与えるのか、その背景を理解することが重要です。

新興国株式市場の注意点③：インデックスファンドでの低コスト分散投資が基本！

新興国市場での投資は、その不確実性の高さから分散投資が一層重要になります。

そのためにはインデックスファンドをうまく活用するべきです。

インデックスファンドは、一国や数ヶ国に偏ることなく新興国全体の株価指数に連動した投資が可能です。

この戦略によって、個別企業の不振や一国の政治的リスクによる影響を分散させることができます。

また、インデックスファンドはアクティブファンドに比べて運用コストが低いため、長期的に見れば、より多くのリターンを期待できるでしょう。

投資先の選定には膨大なマーケットデータの分析や、現地の最新の経済動向への理解が必要ですが、インデックスファンドであれば、これらの労力を最小限に抑えられます。

ただし、インデックスファンドにもさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解した上で適切なものを選択する必要があります。

新興国株式インデックスファンドはおすすめ？メリットは？

新興国株式インデックスファンドは、経済成長の潜在性に富む新興国の市場に投資できる商品です。

その求心力は、多くの投資家が多様化とリターンの可能性を求める中、日増しに高まりつつあります。

投資の選択肢を広げるために新興国株式インデックスファンドを購入することを考えている方にとって、そのメリットをしっかりと理解することが大切です。

このファンドが提供する独自の魅力や利点を深掘りし、なぜ多くの投資家から注目されているのかについて明らかにしていきましょう。

新興国株式インデックスファンドのメリット①：20以上の新興国に分散投資ができる！

新興国株式インデックスファンドを利用する最大の利点は、幅広い新興国市場への分散投資が可能であることです。

多くのインデックスファンドは、MCSI新興市場指数などの知名度の高い指数をベンチマークに採用し、インドや中国、ブラジルといった世界の経済発展が著しい20以上の国々の株式に投資しています。

単一国への投資に比べて、多国籍に分散された投資は、個別の国の経済状況や政治リスクに左右されにくくなります。

特定の国が経済危機に見舞われたとしても、ファンド全体のパフォーマンスに与える影響を緩和することができるのです。

さらに新興国市場は、成長のペースが速いため、先進国に比べて高いリターンを期待できることもあります。

ただし、新興国市場には先進国に比べて不透明な側面もあり、経済の変動が激しくなりがちです。

しかし、分散投資を行うことにより、議物価の効果を最大限に活かすことができるのです。

例えば、ある国の株価が下がった時には、他の国の株価が上がる可能性があり、その差額を相殺することが可能になります。

インデックスファンドは、これら新興国の株式に分散投資を行う際に発生する手間やコストを削減し、小口の個人投資家でも簡単に国際的な投資戦略を実行できるようにする便利なツールです。

新興国株式インデックスファンドのメリット②：信託報酬を低めに抑えられる！

新興国株式インデックスファンドのもう一つの魅力は、そのコストの低さにあります。

信託報酬（運用管理費用）は、ファンドを運用するために投資家が支払う必要がある費用で、これが低ければ低いほど、投資家の利益に直結します。

インデックスファンドは、市場の指数に基づき投資対象とその比率があらかじめ決まっているため、アクティブファンドのように高度な分析や銘柄選択が不要となることから、運用にかかるコストを大幅に削減できます。

このため、信託報酬がアクティブファンドに比べて格段に安価で、長期投資にも適しています。

特に新興国株式インデックスファンドは、多国籍に投資する特性上、個別に新興国市場を対象としたアクティブファンドを組み合わせるよりも好ましい条件を提供しています。

一般的にインデックスファンドの信託報酬は、数十分の一パーセントから数パーセントにとどまります。

これはアクティブファンドの信託報酬が数パーセントとなることが一般的であることを考えると、その低コストぶりが際立ちます。

投資成果を左右する要因の一つがコストであることを鑑みれば、信託報酬の低さは投資家にとって大きな利点です。

これにより、投資家はコストの低減を通じて実質的なリターンを高めることができ、投資の効率を向上させることが可能です。

投資期間が長期にわたるほど、この信託報酬の低さによるメリットは大きくなることが予想されるため、コスト面での利点は新興国株式インデックスファンドの大きなセールスポイントと言えるでしょう。

新興国株式インデックスファンドのメリット③：SBI証券などネット証券を利用すればお得に積立できる！

新興国株式インデックスファンドを保有する際に、SBI証券を始めとする多くのネット証券をうまく活用すると、さらにコストパフォーマンスが良い投資が実現可能です。

オンライン証券会社は実店舗を持たないため、その経費削減分を手数料の低廉化に反映しています。

投資家はこのような証券会社を通じて取引を行うことで、余計なコストを抑えつつ利便性の高い投資を行うことができます。

具体的には、ネット証券を介して積立投資を行うと、一定額を毎月自動的に買い付けることができるため、時間をかけて均等に市場へ資金を投じることができます。

これにより、市場のトップやボトムを予測する必要が無くなり、経済状況に左右されずに堅実な投資が行えるというわけです。

また、積立投資によりドルコスト平均法を実践することで、市場の波に乗ることなく積み立てていくことが可能になります。

これは購入単価を平準化する効果を持ち、長期にわたる投資でコストをさらに抑制する戦略として知られています。

このほかにも、ネット証券では手数料割引やキャッシュバック、投資信託の購入手数料無料といったキャンペーンを定期的に実施していることも多く、賢く利用すれば初心者からベテランまで、幅広い投資家がお得に投資を進めることができるのです。

結論として、新興国株式インデックスファンドは、分散投資、低コスト、オンライン証券の利便性といった三つの強力なメリットに支えられています。

これらの特長を理解し、自分の投資計画に適したファンド選びを行えば、新興市場の潜在力を引き出したリターンを期待することが可能になるでしょう。

新NISAでおすすめできる新興国株式インデックスファンドは？

新NISAの導入に伴い、多くの投資家がより効率的なポートフォリオ構築を目指しています。

とくに注目を集めているのが、成長著しい新興国市場に投資するインデックスファンドです。

新NISA口座で選びたい、おすすめの新興国株式インデックスファンドを3つご紹介します。

新興国株式インデックスファンド①：eMAXIS Slim全世界株式（オールカントリー）の新興国株式部分

eMAXIS Slim全世界株式（オールカントリー）は、世界中の株式市場に広く分散投資することができるファンドです。

このファンドの特徴は、先進国だけでなく新興国市場へも投資を行っている点にあります。

新興国のポテンシャルを生かしたい投資家にとって、バランス良く新興国にもアプローチできるこのファンドは魅力的な選択肢となるでしょう。

本ファンドはMSCIオールカントリーワールドインデックスをベンチマークにしており、アメリカやヨーロッパ、アジアなど全世界の約50カ国以上の国と地域の株式に分散投資しています。

中でも新興国の比率が高いことから、新興国市場の動向に特に注目している方におすすめです。

このファンドを選ぶメリットとして、新興国市場特有のボラティリティを先進国株式が抑えてくれるバランス効果が挙げられます。

手数料も低コストであるため、長期的なリターン向上が期待できます。

投資が分散されているため、新興国市場のみならず世界経済全体の成長を取り込みたい方にとって理想的なファンドだと言えるでしょう。

新興国株式インデックスファンド②：eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは、特に新興国市場に焦点を当てたインデックスファンドです。

先進国市場に投資するファンドとは異なり、こちらのファンドは新興国における株価指数の動きに連動した投資成果を目指しており、そのため、新興国市場のポテンシャルを余すことなく活用したい方にうってつけです。

このファンドはMSCIエマージングマーケットインデックスに追随しており、中国、インド、ブラジル、ロシアといった新興国の主要な株式市場に投資しています。

eMAXIS Slimシリーズの特徴は、投資家にやさしい低コストで利用できる点です。

この低コストでありながら効率的に新興国市場にアクセス可能という点が大きな魅力と言えます。

投資家のリスク許容度に合わせて、純粋な新興国投資を求める方や、高い成長性を期待する方に特に適しているファンドだと言えます。

独立した新興国ポートフォリオを組みたい方や、新興国市場に特化した投資を検討している方に、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは最適な選択となるでしょう。

新興国株式インデックスファンド③：SBI・新興国株式インデックス・ファンド（雪だるま）

SBI・新興国株式インデックス・ファンド（雪だるま）は、インデックス投資の中でもコストを意識した選択を重視する投資家に適したファンドです。

新興国市場への投資を低コストで実現することができ、インデックスファンドでありながらも圧倒的な手数料の安さで知られています。

このファンドはFTSEエマージングインデックスをベンチマークとしています。

多くの新興国市場に投資することでリスクの分散を図りつつ、新興国経済の成長力を投資成果として反映させることを目指しています。

中国やインドなどの大型株だけでなく、より中小型の市場にも投資することで、多様な新興国の成長を組み入れる機会を提供します。

SBI・新興国株式インデックス・ファンド（雪だるま）は、手数料の低さに加え、SBI証券を利用することでさらにコスト削減が期待できる点が魅力です。

長期的な資産形成を目指す個人投資家にとっては、コスト面で大きな利点となるでしょう。

リターン追求とともにコスト面も無視できないという方にはこのファンドがぴったりです。

新興国株式おすすめしない【まとめ】インデックスファンドは不要？

以上の情報を踏まえると、新興国株式への投資はリスクが高いため、一般的な個人投資家にとってはおすすめできないと言われています。

新興国の政治や経済の不安定さ、通貨リスク、情報の不透明さなどが主な理由です。

また、新興国株式は個別銘柄の選定が難しく、市場の動きによって大きな変動が起こりやすいというデメリットもあります。

一方で、新興国株式インデックスファンドは、一定のリスク分散効果があり、手軽に新興国株式に投資できるメリットがあります。

インデックスファンドは特定の指標に基づいて銘柄を選定するため、個別銘柄の選び方に迷う必要がなく、市場全体の動きに連動することが特徴です。

また、新興国株式インデックスファンドは、長期的な成長性が期待される新興国に投資しているため、将来的な収益の可能性もあると言えます。

新NISA（少額投資非課税制度）を活用する場合には、新興国株式インデックスファンドも一つの選択肢として考えられます。

新NISAでは、一定の条件を満たす投資対象に対して税制優遇措置が受けられるため、将来的な収益を最大化する上でも優れた手段となります。

ただし、個別の投資商品を選ぶ際には、信託報酬や運用方針、運用実績などを注意深く確認し、自身の投資目標やリスク許容度に合った商品を選ぶことが重要です。

新興国株式への投資は高いリスクを伴うため、投資には慎重な判断が求められます。

一般的な個人投資家にとっては、新興国株式インデックスファンドを選択することが、リスク分散や手軽さを考慮した上での適切な選択肢となるかもしれません。

新興国株式おすすめしない「よくある質問」