SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドは、世界中の株式市場に分散投資することでリスクを抑えつつ、投資家に利益をもたらすとされています。
その一方で、同じく低コストで運用されているeMAXIS Slimオルカンなどの別のファンドへの注目も高まっています。
本記事では、SBI全世界株式インデックスファンドの評価や特徴を総括し、eMAXIS Slimオルカンとの比較を通じて、投資家が抱える選択肢と可能性について考察します。
信託報酬、分散投資効果、運用成績などに焦点を当て、投資家のニーズに合った資産形成の視点から解説してまいります。
【SBI雪だるま】全世界株式インデックスファンドの評価は?
SBI・VやeMAXIS Slimと比較する前に、雪だるま全世界株式の特徴を評価・解説していきます!
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま全世界株式)は、世界の株式市場への投資を目的としたインデックスファンドです。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスをベンチマークとしており、約45カ国の有名大型株から中小型株まで、7,000以上の企業(銘柄)に分散投資が行える点が特徴です。
- 投資対象:全世界の株式(新興国を含む)
- ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
- 銘柄数:約7,000(中小型株も含む)
以下、手数料や構成銘柄・セクターについて詳しく解説していきます。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価①:購入手数料と信託報酬(実質コストを含む)
SBI全世界株式インデックスファンドの購入手数料は無料(ノーロード)で、解約手数料に相当するコストも発生しません。
項目 | 手数料が発生する タイミング | 手数料 (税込) |
---|---|---|
購入手数料 | ファンド購入時 | 無料 |
信託財産留保額 | ファンド売却時 | 無料 |
信託報酬 | ファンド保有時 | 年率0.1102%程度 |
また、SBI全世界株式インデックスファンドを保有中にかかる手数料(信託報酬)は、年率0.1102%程度となっています。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価②:ETFの比率(資産配分)
SBI全世界株式インデックスファンドは、超低コストの米国ETFへ投資することで、関節的に全世界の株式市場への投資を行っています。
SBI全世界株式インデックスファンドの組み入れETFとその比率は、以下の表にまとめたようになっています。
投資対象 | 銘柄 | 比率 |
---|---|---|
米国株式 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF | 59.63% |
先進国株式(米国除く) | SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF | 29.84% |
新興国株式 | SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツETF | 10.03% |
現金 | – | 0.50% |
米国株の比率が約6割、新興国の比率が1割程度となっています。
現金は、ETFからの分配金やファンドの解約に備えるものとして、一定割合含まれます。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価③:国別の構成比率
次に、SBI全世界株式インデックスファンドの国別の構成比率を見ていきます。
ETFの構成銘柄と比率から、投資対象の地域が分かりましたので、ここから各国の構成比を見ていきます。
国名 | 比率 |
---|---|
米国(アメリカ) | 59.04% |
日本 | 6.45% |
イギリス | 3.57% |
カナダ | 2.98% |
中国 | 2.94% |
スイス | 2.65% |
フランス | 2.64% |
ドイツ | 1.99% |
オーストラリア | 1.92% |
インド | 1.89% |
その他 | 13.93% |
細かい国別の比率は、運用実績や相場変動によって日々変動します。
アメリカが全体の6割を占めており、それに日本などの先進国が続く形となっています。
新興国は、トップ10内に、中国とインドが入っています。
米国市場は世界最大の株式市場であり、その影響力も非常に大きい点を頭に入れておきましょう!
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価④:業種・セクター別構成比率
次に、業種の分散が効いているか、セクター別の構成比を見ていきます。
以下の表は、SBI全世界株式インデックスファンドに組み入れられているETFの業種・セクター別構成比率をまとめたものです。
業種・セクター | 比率 |
---|---|
情報技術 | 20.32% |
金融 | 15.84% |
資本財・サービス | 11.82% |
ヘルスケア | 11.54% |
一般消費財・サービス | 11.38% |
コミュニケーション・サービス | 6.92% |
生活必需品 | 6.92% |
素材 | 5.01% |
エネルギー | 4.67% |
不動産 | 2.87% |
公益事業 | 2.71% |
ここ数十年の世界経済のけん引役でもあるハイテク(情報技術)の比率が高くなっていますが、セクターの分散は効いています。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価⑤:組み入れ上位銘柄
次に、雪だるま全世界株式の組み入れ上位10銘柄を見ていきます。
以下の表は、SBI全世界株式インデックスファンドの組み入れ上位10銘柄の比率と国、業種をまとめたものです。
銘柄名 | 対象国 | 構成比率 | 業種・セクター |
---|---|---|---|
アップル | 米国 | 3.93% | 情報技術 |
マイクロソフト | 米国 | 3.34% | 情報技術 |
アルファベット | 米国 | 1.95% | コミュニケーション・サービス |
アマゾン | 米国 | 1.56% | 一般消費財・サービス |
エネビディア | 米国 | 1.47% | 情報技術 |
テスラ | 米国 | 0.96% | 一般消費財・サービス |
メタ・プラットフォームズ | 米国 | 0.95% | コミュニケーション・サービス |
バークシャー・ハサウェイ | 米国 | 0.86% | 金融 |
ユナイテッドヘルス | 米国 | 0.63% | ヘルスケア |
JPモルガン・チェース・ アンド・カンパニー | 米国 | 0.62% | 金融 |
アップルやマイクロソフトなどのハイテク企業のほか、グローバル企業して有名なアメリカの企業が上位を独占しています。
投資の神様として名高いウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイもトップ10入りしています。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価⑥:利回り・分配金
次に、SBI全世界株式インデックスファンド(雪だるま全世界株式)の分配金や利回り、投資パフォーマンスについてみていきます。
SBI全世界株式インデックスファンドの分配金
SBI全世界株式インデックスファンド(雪だるま全世界株式)の決算は、年1回、11月に行われますが、これまで分配金の発生はありません。
決算日 | 分配金 |
---|---|
2022年11月14日 | 0円 |
2021年11月12日 | 0円 |
2020年11月12日 | 0円 |
2019年11月12日 | 0円 |
2018年11月12日 | 0円 |
設定来の合計額 | 0円 |
分配金が出てしまうと、分配金への課税(約20%)分の投資パフォーマンスが悪化してしまいます。
そのため、組み入れ銘柄から出る分配金や配当金は、ファンド内で再投資される方が、我々ファンド購入者にはメリットがあります。
長期の資産形成が目的で積立投資を行っている場合、効率的な運用のためには、分配金が出た場合でもファンドへ再投資することが重要です。
SBI証券などの証券会社では、投資信託の購入・積立の注文時に「分配金再投資コース」を選ぶことで、自動再投資が設定できます。
SBI全世界株式インデックスファンドの利回り・投資パフォーマンス
また、これまでのSBI全世界株式インデックスファンド(雪だるま全世界株式)のパフォーマンスは、下表のようになっています。
期間 | ファンド | ベンチマーク | 差・乖離 |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 1.65% | 1.66% | -0.01% |
3ヶ月 | 14.37% | 14.67% | -0.30% |
6ヶ月 | 19.17% | 19.14% | +0.03% |
1年 | 18.78% | 19.32% | -0.54% |
3年 | 80.31% | 82.56% | -2.25% |
5年 | 83.89% | 88.70% | -4.81% |
設定来 | 88.78% | 95.39% | -6.61% |
ファンドの成績がベンチマークよりも低くなっているのは、
- 手数料:信託報酬およびその他の経費
- 現金比率の違い
- ETFの組み入れ比率の差
などが考えられます。
SBI雪だるま全世界株式インデックスファンドの評価【まとめ】
ここまで解説してきた、SBI全世界株式インデックスファンド(雪だるま全世界株式)のデータをまとめると、以下のようになっています。
- ベンチマーク:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算)
- 購入手数料:無料
- 信託報酬(税込み):年率0.1102%程度
*実質コスト:0.123% - 売買単位:100円から1円単位
- 決算:年1回(11月12日、休日の場合、翌営業日)
- 償還日:無期限(設定日:2017年12月16日)
- 信託財産留保額:無し
最大の特徴は手数料の安さで、年率0.1102%と超低コストで、全世界の株式市場に分散投資することができます。
ただし、ベンチマークとの乖離が大きいため、多少コストが割高でも、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動した投資成績を目指す方は、次から比較する、
- SBI・V・全世界株式インデックスファンド
- 楽天バンガード全世界株式(楽天VT)
の利用を検討してみると良いでしょう。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドの評判・口コミは?
SBI全世界株式インデックスファンド(愛称:雪だるま全世界株式)の特徴が分かったところで、X(旧Twitter)などのSNS上での、雪だるま全世界株式の評判をみていきます。
実際に、SBI全世界株式インデックスファンドに投資している方や他の投資家の方の意見を参考にしたい方は、ぜひご覧ください。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドの良い評判①:NISAやiDeCoで人気!
期待リターンが高く、低コストで分散投資ができるので、NISAやiDeCoなど非課税枠投資向きのファンドと人気がありますね。
NISAやiDeCoなどの個人型確定拠出年金制度を活用する人たちの間で、SBI全世界株式インデックスファンドは人気があります。
雪だるま全世界株式は、低コストで幅広い企業に投資できるため、リスクを分散しながら成長性の高い銘柄に投資することができます。
また、100円からの投資が可能であるため、初心者にも手軽に始められる点も評価されています。
特に、iDeCoでオルカンの購入ができないため、SBI証券のiDeCo口座で、雪だるま全世界株式を購入する方が多いようです。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドの良い評判②:他の投資信託やETFと合わせて分散先の一本として購入する方も
雪だるま全世界株式は単体で購入することもできますが、他の投資信託やETFと組み合わせてポートフォリオを構築する投資家も多いです。
このように複数の投資商品をバランスよく選ぶことで、リスクを分散させながらリターンを最大化することができます。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドはその一本として非常に魅力的な選択肢となっているのです。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドのイマイチな評判:信託報酬の安いeMAXIS Slimオルカンに乗り換える方も!
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドには、信託報酬が0.11%という点で評価されていますが、中にはさらにコストの低いeMAXIS Slimオルカンへの乗り換えを検討する投資家もいます。
eMAXIS Slimオルカンは信託報酬が同じく0.05775%と非常に低く、手数料の面で若干の差があるために乗り換えを検討する人もいるようです。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドの評判・口コミ【まとめ】
ここまで紹介してきたSBI・雪だるま全世界株式の評判をまとめると、以下の表のようになります。
項目 | 内容 |
---|---|
良い評判 ・口コミ | 新NISA(つみたて)やiDeCoで人気! 分散先の一本として購入する方も! |
悪い評判 ・口コミ | 信託報酬の安いeMAXIS Slim全世界株式 (オールカントリー)に乗り換える方も! |
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドの評判・口コミを見てきましたが、NISAやiDeCoでの人気や他の投資信託やETFとの組み合わせの一本としての利用など、多くの投資家から支持を受けています。
また、eMAXIS Slimオルカンへの乗り換えを検討する声もあります。
自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせて検討し、最適な選択をすることが大切です。
投資にはリスクが伴いますので、購入前にしっかりと検討されることをお勧めします。
SBI(雪だるま)全世界株式インデックスファンドとeMAXIS Slim(オルカン)の違いを評価
SBI・V・全世界株式インデックスファンドと雪だるま全世界株式の違いを比較してきましたが、
- eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)との違いは?
- どれがオススメ?
などの疑問を抱いている方もいるかもしれません。
そこで、次は、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と雪だるま全世界株式の違いを比較・解説していきます。
雪だるまと比較するeMAXIS Slimシリーズについて
はじめに、超低コストファンドとして人気のeMAXIS Slimシリーズについて、カンタンに復習しておきます。
eMAXIS Slimシリーズは、雪だるまやSBI・Vシリーズと同様に、超低コストで、米国や世界の株式・債券市場に分散投資できる投信シリーズです。
eMAXIS Slimシリーズの投資信託と信託報酬は、下表のようになっており、SBI・Vと比較すると、割安かつ品揃えも豊富です。
ファンド名 | 投資クラス | 信託報酬 (税抜) | ベンチマーク |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim国内株式 (TOPIX) | 国内株式 | 0.159% | TOPIX(配当除く) |
eMAXIS Slim国内株式 (日経平均) | 国内株式 | 0.159% | 日経平均株価 |
eMAXIS Slim国内債券 インデックス | 国内債券 | 0.139% | NOMURA-BPI指数 |
eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) | 米国株式 | 0.160% | S&P500 |
eMAXIS Slim先進国株式 インデックス | 先進国株式 | 0.109% | MSCIコクサイ |
eMAXIS Slim先進国債券 インデックス | 先進国債券 | 0.170% | シティ世界国債インデックス(除く日本) |
eMAXIS Slim新興国株式 インデックス | 新興国株式 | 0.189% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
eMAXIS Slim全世界株式 (オールカントリー) | 全世界株 | 0.05775% 以内 | MSCIオール・カントリー・ワールド指数 |
eMAXIS Slim全世界株式 (除く日本) | 全世界 (日本除く) | 0.05775% 以内 | MSCIオール・カントリー・ワールド指数 |
eMAXIS Slim全世界株式 (3地域均等型) | 全世界 (3地域均等) | 0.05775% 以内 | 日本・先進国・新興国の株式を均等配分 |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) | バランス | 0.159% | 国内の株式・債券・REIT、 先進国の株式・債券・REIT、 新興国の株式・債券の計8資産を均等配分 |
株式市場だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)市場、さらにバランスファンドにも投資が行えます!
このeMAXIS Slimシリーズの超低コストファンドの一つに「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」があります。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の特徴
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、雪だるま全世界株式と同様に、日本を含む全世界の株式への分散投資を目的としたインデックスファンドです。
ただし、ベンチマークは「MSCIオールカントリーワールドインデックス(ACWI、配当込み)」となっています。
- ベンチマーク:MSCIオールカントリー・ワールドインデックス
- 購入手数料:無料
- 信託報酬(税込み):年率0.05775%以内
*実質コスト:0.111% - 売買単位:100円から1円単位
- 決算:年1回(4月25日、休日の場合、翌営業日)
- 償還日:無期限(設定日:2018年10月31日)
- 信託財産留保額:無し
驚くべきは、手数料(信託報酬の安さ)です。
2023年9月8日からの信託報酬の引き下げにより、年率0.05775%以内と、これまでの半額ほどの超低コストになりました!
以下、二つのファンドの手数料などを比較していきます。
雪だるまとeMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の違い・比較
雪だるま全世界株式とeMAXIS Slim(オルカン)の違いは、ベンチマークと手数料(信託報酬)です。
二つのファンドの違いは、以下の表にまとめたようになっています。
項目 | 雪だるま全世界株式 | eMAXIS Slim(オルカン) |
---|---|---|
信託報酬 *年率・税込 | 0.1102%程度 | 0.05775%以内 |
ベンチマーク | FTSEグローバル・ オールキャップ・インデックス | MSCIオールカントリー・ ワールドインデックス |
信託報酬に関して、オルカンが圧勝しています、
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させるので、手数料を重視する方は、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)がオススメです!
SBI全世界株式インデックスファンド(雪だるま全世界株式)の評価【まとめ】
今回の記事では、SBI全世界株式インデックスファンドの評価や他のファンドとの比較についてご紹介しました。
まず、SBI全世界株式インデックスファンドとSBI・V・全世界株式との違いについてですが、SBI全世界株式インデックスファンドは「雪だるま全世界株式」とも呼ばれており、SBI証券が提供しているファンドです。
一方、SBI・V・全世界株式はSBI証券のSBI・Vシリーズに属しており、他にもS&P500や全米、米国高配当ファンドが存在しています。
両者の主な違いは商品構成や運用方針にありますので、自身の投資スタイルや目的に応じて比較検討することが重要です。
また、SBI全世界株式インデックスファンドとeMAXIS Slim(オルカン)との違いについても触れられています。
eMAXIS Slimは三菱UFJアセットマネジメント(旧三菱UFJ国際投信)が提供するファンドであり、低コストや分配金の運用などが特徴です。
SBI全世界株式インデックスファンドとの比較では、商品構成や手数料、利回りなどを考慮して、自身のニーズに合ったファンドを選択することが大切です。
最後に、全世界株式ファンドの比較についてですが、雪だるま、SBI・V、eMAXIS Slim、楽天VTなどのファンドが挙げられています。
これらのファンドはそれぞれ特徴やメリットがありますので、自身のリスク許容度や投資目的、運用方針などを考慮して、最適なファンドを選択することが重要です。
また、運用実績やコスト面なども比較検討することで、より良い投資選択ができるでしょう。
以上のポイントを踏まえると、SBI全世界株式インデックスファンドの評価や他のファンドとの比較は、個人の投資スタイルや目的によって異なる結果が出る可能性があります。
投資はリスクを伴うものですので、慎重に吟味しましょう!