FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスは、世界経済を牽引する先進国株式市場の動向を表す株価指数です。アメリカや日本、欧州など20カ国以上をカバーしており、低コストで人気のSBI先進国株式インデックスファンドのベンチマークとして採用されています。
本ページでは、FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスの特徴や構成銘柄や構成国、また業種別の構成比などを紹介・解説していきます。また、本指数と同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるETF、そのお得な購入先なども紹介します。
参考資料:FTSE Developed all cap index | FTSE Russell(英語)
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスとは?
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスとは、FTSE Russell社(ロンドン証券取引所が出資している独立企業)が算出している、先進国の株式市場の動向を表す株価指数です。
対象国は、アメリカやヨーロッパ、日本などの先進国、24カ国となっています。世界の有名グローバル企業から中小型株まで、約5,600銘柄から構成されている時価総額加重平均型の株価指数です。
MSCIコクサイとの比較・違いは?
先進国株式市場の動向を表す指数には、本指数の他に、MSCIコクサイがあります。二つの株価指数の違いは、構成国と構成株式の違い、またそれらに伴う銘柄数の違い等があります。
FTSEディベロップド・オールキャップとMSCIコクサイの比較
項目 | FTSEカイガイ | MSCIコクサイ |
---|---|---|
構成国数 | 24カ国 (韓国含む) | 22カ国 |
日本 | 含む | 含まない |
株式の種類 | 大型・中型・小型 | 大型・中型 |
構成銘柄数 | 5,660銘柄 | 1,328銘柄 |
分散性の観点からは、構成銘柄数が多い「FTSEディベロップド・オールキャップ」の方が優れていると言えそうです。FTSEは、MSCIと比べて、構成国が多く小型株も含むため、構成銘柄数が圧倒的に多くなっています。
ただし、FTSEの方は、日本(9%程度)や韓国(2%)程度含まれます。そのため、日本株ファンドや新興国株ファンドを別途保有されている方は、資産配分に若干注意する必要があります。
例えば、日本株ファンドを保有されている方で、先進国株ファンドに日本株を含んで欲しくない方は、MSCIコクサイをベンチマークとするファンドを選ぶ方が良いでしょう。
構成国の比率は?
次に、本指数の気になる構成国の比率を確認していきます。
まず、本指数の組入国の比率を見ていきます。以下の表にまとめように、米国の比率50%以上と高くなっています。米国株式市場の時価総額の大きさがわかります。米国の次には、日本、イギリス、ヨーロッパ勢が続きます。
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスの構成国とその比率:
銘柄 | 構成比 |
---|---|
米国 | 57.78% |
日本 | 9.0% |
イギリス | 6.54% |
フランス | 3.46% |
ドイツ | 3.43% |
カナダ | 3.39% |
スイス | 2.82% |
オーストラリア | 2.55% |
韓国 | 2.00% |
香港 | 1.37% |
オランダ | 1.23% |
スペイン | 1.19% |
スウェーデン | 1.11% |
イタリア | 1.03% |
デンマーク | 0.64% |
シンガポール | 0.50% |
ベルギー | 0.44% |
フィンランド | 0.39% |
ノルウェー | 0.29% |
イスラエル | 0.18% |
オーストリア | 0.14% |
ニュージーランド | 0.12% |
アイルランド | 0.09% |
ポルトガル | 0.07% |
組み入れ銘柄と構成比
次に、本指数の構成銘柄(5,660銘柄)の組入上位銘柄の顔ぶれを見ていきます。世界経済を牽引するアメリカのグローバル企業が上位を独占しています。アップルやマイクロソフト、Facebookなどの有名ハイテク企業が名を連ねています。
構成銘柄トップ10の比率
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
アップル | 1.75% | 情報技術 |
マイクロソフト | 1.45% | 情報技術 |
アマゾン | 1.17% | 消費者サービス |
0.89% | 情報技術 | |
JPモルガン・チェース | 0.81% | 金融 |
ジョンソン&ジョンソン | 0.76% | ヘルスケア |
エクソン・モービル | 0.72% | エネルギー |
アルファベット(GOOGL)C | 0.71% | 情報技術 |
アルファベット(GOOGL)A | 0.63% | 情報技術 |
バンク・オブ・アメリカ | 0.58% | 金融 |
参考 米国企業に絞った投資を行いたい方は、低コストファンドのiFree NYダウインデックスやiFree S&P500インデックス、また楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)等があります。また、米国株式市場への投資を目的とした低コストファンドは、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/us-stock/#indexfunds
業種(セクター)別構成比
次に、業種別の構成比率を確認します。金融業の他、資本財や生活必需品などの割合が高めになっています。米国の代表的な株価指数「S&P500」と比べると、情報技術やヘルスケアなどが、やや低めの割合です。
業種別構成比:
業種(セクター) | FTSEグローバル・オールキャップ | S&P500 |
---|---|---|
金融 | 22.3% | 17.7% |
資本財 | 14.6% | 10.2% |
情報技術 | 13.3% | 21.7% |
生活必需品 | 12.5% | 9.4% |
消費者サービス | 10.9% | 12.1% |
ヘルスケア | 10.9% | 14.1% |
エネルギー | 5.7% | 6.5% |
素材 | 4.8% | 2.8% |
公益事業 | 2.8% | 3.3% |
電気通信 | 2.4% | 2.4% |
S&P500の特徴や構成銘柄などの詳細は、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/sp500/
先進国株式への投資を目的としたインデックスファンド
FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスなど先進国株式市場の株価指数と同等の投資成果を上げることを目的とする投資信託(インデックスファンド)には、下表のようなものがあります。
先進国株式市場への投資を目的とした低コストファンド一覧・比較
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1095% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.189% |
iFree外国株式インデックス | 0.19% |
iFree外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | 0.19% |
i-SMTグローバル株式インデックス | 0.19% |
Smart-i先進国株式インデックス | 0.20% |
つみたて先進国株式 | 0.20% |
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.20% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.225% |
たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.225% |
EXE-i先進国株式ファンド | 0.32% |
野村インデックスファンド・外国株式 | 0.55% |
野村インデックスファンド・外国株式(為替ヘッジあり) | 0.59% |
eMAXIS先進国株式インデックスファンド | 0.60% |
SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.50% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ無) | 0.57% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ有) | 0.57% |
外国株式インデックスe | 0.50% |
たくさんの超低コストファンドがありますが、FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスをベンチマークとするSBI先進国株式インデックスファンドが最安コストとなっています。
ただし、ベンチマークをMSCIコクサイにしたい方は、eMAXIS Slim先進国株式インデックスやニッセイ外国株式インデックスファンドが良いでしょう。
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させるので、コストの安いファンドを選ぶことが重要です。また、次に紹介するような証券会社を利用することで、さらにお得にファンドを購入・保有できます。
参考 以上紹介した3つのファンドはつみたてNISAでも購入可能です。
- 積立(つみたて)NISAとは?メリット・デメリット、現行NISAとの比較
- つみたてNISAの運用はSBI証券がオススメ!お得にポイントが貯まる制度に注目
- 積立(つみたて)NISAのオススメ金融機関・証券会社は?【2018年版】
- SBI証券つみたてNISA口座開設キャンペーンで現金2,000円が当たる
お得な購入先は?SBI証券?楽天証券?
インデックスファンド等の投資信託は、SBI証券や楽天証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券、フィデリティ証券、GMOクリック証券、岡三オンラインなどから購入可能です。
購入手数料は、ネット証券では無料なので差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」に違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。ポイントは、現金などに交換できるため、ポイント還元率の高いネット証券でファンドを購入することで、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) |
|
楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) |
|
マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) |
|
auカブコム証券 | 月平均保有額100万円につき1ポイント (最大:年率0.24%) |
|
SBI証券であれば、最大0.24%(年率)のポイント還元が受けられます。他ネット証券もポイント還元がありますが、還元率の高さや利便性を考えるとSBI証券がおトクです。例えば、1,000万円分保有している場合、年間(最大)24,000円のキャッシュバックがあります。
SBI証券の詳細確認や口座開設(無料)は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえます。(5月31日まで)
先進国株式市場への投資を目的としたETF
MSCIコクサイなど先進国株式市場の株価指数をベンチマークとするETFには、下表のようなものがあります。ETFということで、インデックスファンドよりも信託報酬(経費率)が割安なものが多くなっています。
先進国の株価指数をベンチマークとするETF一覧・比較
銘柄名(コード・ティッカー) | 信託報酬 (経費率) | ベンチマーク | 種類 |
---|---|---|---|
バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA) | 0.09% | FTSE先進国オールキャップ(除く米国)指数 | 米国ETF |
iシェアーズMSCIコクサイETF(TOK) | 0.25% | MSCIコクサイ | 米国ETF |
MAXSI海外株式(MSCIコクサイ)上場投信(1550) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
iシェアーズ先進国株ETF(1581) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
上場インデックスファンド海外先進国株式(1680) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
UBS ETF先進国株(1394) | 0.30% | MSCIワールド | 国内ETF |
最安は、バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)です。ただし、本ETFは、米国株が含まれないので、米国株式市場への投資を目的としたiシェアーズS&P500ETF(IVV)やバンガード・S&P500ETF(VOO)、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)などと組み合わせる必要があります。いずれのETFも経費率(信託報酬)0.05%以下と超低コストとなっています。比率も自分で調整できる点もメリットです。
ただし、米国ETFの利用が面倒という方は、MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信がオススメです。信託報酬0.25%と国内ETFとしては最も安く、さらにauカブコム証券であれば、手数料無料(フリーETF)で売買できます。
米国ETFのお得な購入先
バンガードETFなどの米国ETFは、手数料の安いネット証券で取引を行うのが良いでしょう。ネット証券では、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社で米国ETFの取引が行えます。3社で最も手数料が安いのがSBI証券です。
米国ETFを取引する場合、ETFの売買時に係る手数料「売買手数料」、また日本円を米ドルに両替するための「為替手数料」の2種類の手数料(コスト)がかかります。米国ETFは米ドルで売買しなくてはいけないので、売買手数料の他に為替手数料がかかります。
米国ETFの取引にかかる手数料:
- 売買手数料:米国ETFを売買する際にかかる手数料
- 為替手数料:日本円を米ドルに両替する手数料
以下の表は、米国ETFの取り扱いを行っているネット証券の売買手数料・為替手数料を比較したものです。売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が同水準の安さですが、為替手数料はSBI証券の方が安いことがわかります。そのため、取引にかかるトータルコスト(売買手数料+為替手数料)は、SBI証券が最も安くなります。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
DMM.com証券 | 無料(0円) | 0.25円 |
SBI証券 | 約定額の0.45% ・最低0ドル ・最大20ドル |
|
マネックス証券 | ||
楽天証券 |
為替手数料が安くなる住信SBIネット銀行は、SBI証券の口座開設時に、カンタンに同時口座開設ができます。サービスも連携していて使いやすくなっています。また、SBI証券のNISA口座であれば、買付手数料が無料になる点も大きなメリットです。
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また、住信SBIネット銀行の同時口座開設の方法などは、以下もご参照ください。
NISAなら積立でも買付手数料無料
海外ETFは、手数料がインデックスファンドや国内ETFと比べて割高であるため、小額積立はもったいないと思うかもしれません。実際、私もそう考えていました。しかし、NISA口座を利用すれば手数料無料で買付・積立ができるようになりました。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券のどのNISA口座でも海外ETFの買付手数料が無料になります。そのため、小額積立を行いたい方は、これらのネット証券を選ぶと良いでしょう。
私自身は、元々の手数料が安く済むSBI証券を利用しています。NISA枠(年間120万円の上限)をはみ出たとしても割安な手数料でバンガードなどの米国ETFが購入できます。
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また、SBI証券の詳細やNISA口座の特徴は、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/sbi-securities-nisa/
SBI証券は、海外ETFだけでなく、投資信託や米国株の品揃えが良く、コストも業界最安水準です。また、投信マイレージやIPOチャレンジポイント、PTSなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
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