SBI・新興国株式(雪だるま)は、投資家にとって注目を集めるインデックス・ファンドの一つです。
その評価や組み入れ銘柄、国別構成比などが投資家の関心を引いています。
この記事では、SBI・新興国株式(雪だるま)に焦点を当て、その特徴やパフォーマンスについて詳細に検証していきます。
新興国市場への投資に興味をお持ちの方にとって、このファンドの魅力やリスクについて情報を提供し、投資判断の一助となるでしょう。
SBI・新興国(雪だるま新興国株式)の評価は?
はじめに、雪だるま新興国株式の特徴や手数料、また利回りなどについて解説していきます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)とは?
SBI・新興国株式インデックス・ファンドとは、高い経済成長を遂げる中国やインドなど、20以上の新興国への投資を目的としたインデックスファンドです。
FTSEエマージング・インデックス(円換算)をベンチマークとしており、約1,000銘柄から構成されいます。
- 投資対象:新興国の株式(中国やインドなど)
- ベンチマーク:FTSEエマージング・インデックス
- 銘柄数:約1,000銘柄
ここから、手数料や利回り、組み入れ銘柄・国別などについて詳しく解説していきます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の信託報酬・購入手数料
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の購入手数料は無料(ノーロード)で、解約手数料に相当するコストも発生しません。
項目 | 手数料が発生する タイミング | 手数料 (税込) |
---|---|---|
購入手数料 | ファンド購入時 | 無料 |
信託財産留保額 | ファンド売却時 | 無料 |
信託報酬 | ファンド保有時 | 年率0.176%程度 |
また、SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)を保有中にかかる手数料(信託報酬)は、年率0.176%程度となっています。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の利回り・分配金
次に、SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の分配金や利回り、投資パフォーマンスについてみていきます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の分配金
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の決算は、年1回、11月に行われますが、これまで分配金の発生はありません。
決算日 | 分配金 |
---|---|
2022年11月14日 | 0円 |
2021年11月12日 | 0円 |
2020年11月12日 | 0円 |
2019年11月12日 | 0円 |
2018年11月12日 | 0円 |
設定来の合計額 | 0円 |
分配金が出てしまうと、分配金への課税(約20%)分の投資パフォーマンスが悪化してしまいます。
そのため、組み入れ銘柄から出る分配金や配当金は、ファンド内で再投資される方が、我々ファンド購入者にはメリットがあります。
長期の資産形成が目的で積立投資を行っている場合、効率的な運用のためには、分配金が出た場合でもファンドへ再投資することが重要です。
SBI証券などの証券会社では、投資信託の購入・積立の注文時に「分配金再投資コース」を選ぶことで、自動再投資が設定できます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の利回り・投資パフォーマンス
また、直近やファンド設定以来のSBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)のパフォーマンスは、下表のようになっています。
期間 | ファンド | ベンチマーク | 差・乖離 |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 3.81% | 3.14% | +0.67% |
3ヶ月 | 13.63% | 13.75% | -0.12% |
6ヶ月 | 10.07% | 9.63% | +0.44% |
1年 | 11.06% | 12.14% | -1.08% |
3年 | 41.30% | 43.24% | -1.94% |
5年 | 39.53% | 42.71% | -3.18% |
設定来 | 39.00% | 41.73% | -2.73% |
ファンドの成績がベンチマークよりも低くなる要因は、主に
- 手数料:信託報酬およびその他の経費
- 現金比率の違い
の2点です。
信託報酬が高くなるほど、ベンチマーとの乖離が大きくなるので、手数料の安さの重要性を再認識させられます。
SBI・新興国(雪だるま新興国株式)の評価/組み入れ銘柄と国別比
次に、SBI・新興国(雪だるま新興国株式)の組み入れ銘柄と国別構成比率について見ていきます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の資産配分・ETFの比率
本ファンドは、基本的に米国ETFの「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティETF」への投資を行うことで、実質的に新興国株式市場への投資を行っています。
銘柄 | 比率 |
---|---|
シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF | 99.50% |
現金 | 0.50% |
実際の雪だるま新興国株式内の構成比率は、上表のようになっており、ETFと0.5%程度の現金から構成されていることが分かります。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の組み入れ銘柄
次に、SBI・雪だるま新興国株式の組み入れ銘柄を見ていきます。
以下の表は、SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の組み入れ上位10銘柄の比率と国別、業種をまとめたものです。
ニュースや新聞などでよく目にする中国などアジア企業が組み入れ上位となっています。
ただし、昔から強い中国銀行やICBCなどの中国の金融系の割合は落ち、インド企業の躍進が目立ちます。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の国別構成比率
次に、雪だるま新興国株式ファンドの構成国の比率を見ていきます。
下表が組入上位国の比率ですが、中国やインド、台湾などのアジアの新興国勢の割合が高い点が特徴です。
銘柄 | 構成比 |
---|---|
中国 | 31.40% |
インド | 17.28% |
台湾 | 15.98% |
ブラジル | 6.51% |
サウジアラビア | 4.60% |
南アフリカ | 3.68% |
メキシコ | 3.23% |
タイ | 2.43% |
インドネシア | 2.23% |
アラブ首長国連邦 | 1.73% |
その他 | 10.93% |
また、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、ブラジルやなどの資源国の割合が高い点も、新興国市場の国別の特徴です。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の業種・セクター別構成比率
次に、業種・セクター別の構成比を見ていきます。
下の表は、SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)に組み入れられている銘柄の業種・セクター別構成比率をまとめたものです。
業種・セクター | 比率 |
---|---|
金融 | 22.34% |
情報技術 | 15.77% |
一般消費財・サービス | 14.46% |
コミュニケーション・サービス | 9.97% |
素材 | 8.36% |
資本財・サービス | 7.04% |
生活必需品 | 7.02% |
エネルギー | 5.62% |
ヘルスケア | 3.75% |
公益事業 | 3.39% |
不動産 | 2.28% |
米国や先進国の株式市場と比べると、エネルギーセクターの割合が高くなっていますが、その分、ヘルスケアの割合が低めになっています。
SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)の評価【まとめ】
ここまで解説してきた、SBI新興国株式インデックスファンド(雪だるま新興国株式)のデータをまとめると、以下のようになっています。
- ベンチマーク:FTSEエマージング・インデックス(円換算)
- 購入手数料:無料
- 信託報酬(税抜):年率0.176%程度
*実質コスト:年率0.193% - 売買単位:100円から1円単位
- 決算:年1回(11月12日、休日の場合、翌営業日)
- 償還日:無期限(設定日:2017年12月6日)
- 信託財産留保額:なし
最大の特徴は手数料の安さで、年率0.176%と超低コストで、新興国の株式市場に分散投資することができます。
また、余分な手数料が発生しやすい新興国株式ファンドの実質コストも低めに抑えられています。
SBI新興国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドの違い
SBI・V・全世界株式インデックスファンドと雪だるま全世界株式の違いを比較してきましたが、
- eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)との違いは?
- どれがオススメ?
などの疑問を抱いている方もいるかもしれません。
そこで、次は、eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)と雪だるま全世界株式の違いを比較・解説していきます。
雪だるまと比較するeMAXIS Slimシリーズについて
まず、低コスト投信シリーズとして人気のeMAXIS Slimについて、復習しておきます。
eMAXIS Slimシリーズは、SBI雪だるまシリーズと同様に、低コストで、米国や世界の株式・債券市場に分散投資できるインデックスファンドです。
eMAXIS Slimシリーズの投信と信託報酬は、下表のようになっており、SBI雪だるまと比較すると、投資先(アセットクラス)が豊富です。
ファンド名 | 投資クラス | 信託報酬 (税込み) | ベンチマーク |
---|---|---|---|
eMAXIS Slim国内株式 (TOPIX) | 国内株式 | 0.159% | TOPIX(配当除く) |
eMAXIS Slim国内株式 (日経平均) | 国内株式 | 0.159% | 日経平均株価 |
eMAXIS Slim国内債券 インデックス | 国内債券 | 0.139% | NOMURA-BPI指数 |
eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) | 米国株式 | 0.160% | S&P500 |
eMAXIS Slim先進国株式 インデックス | 先進国株式 | 0.109% | MSCIコクサイ |
eMAXIS Slim先進国債券 インデックス | 先進国債券 | 0.170% | シティ世界国債インデックス(除く日本) |
インデックス | eMAXIS Slim新興国株式新興国株式 | 0.1518% | ・インデックス | MSCIエマージング・マーケット
eMAXIS Slim全世界株式 (オールカントリー) | 全世界株 | 0.05775% 以内 | MSCIオール・カントリー・ワールド指数 |
eMAXIS Slim全世界株式 (除く日本) | 全世界 (日本除く) | 0.05775% 以内 | MSCIオール・カントリー・ワールド指数 |
eMAXIS Slim全世界株式 (3地域均等型) | 全世界 (3地域均等) | 0.05775% 以内 | 日本・先進国・新興国の株式を均等配分 |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) | バランス | 0.159% | 国内の株式・債券・REIT、 先進国の株式・債券・REIT、 新興国の株式・債券の計8資産を均等配分 |
株式市場だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)市場、さらにバランスファンドにも投資が行えます!
この超低コスト投信の一つとして「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」があります。
eMAXIS Slim新興国株式インデックスの特徴
eMAXIS Slim新興国株式インデックスは、SBI(雪だるま新興国株式)と同様に、中国やインドなどの新興国株式市場への分散投資を目的としたインデックスファンドです。
ただし、ベンチマークは「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算)」となっています。
- ベンチマーク:MSCIエマージング・マーケット・インデックス(円換算)
- 購入手数料:無料
- 信託報酬(税込み):年率0.1518%
*実質コスト:年率0.330% - 売買単位:100円から1円単位
- 決算:年1回(4月25日、休日の場合、翌営業日)
- 償還日:無期限(設定日:2017年7月31日)
- 信託財産留保額:なし
信託報酬に関しては、eMAXIS Slim新興国株式インデックスの方が安いですが、実質コストは、雪だるま新興国株式の方が安くなっています。
2023年9月8日からの信託報酬の引き下げにより、年率0.1859%から年率0.1518%と、さらに低コストになりました!
次に、二つのファンドの手数料などを詳しく比較していきます!
SBI新興国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドの違い・比較
SBI新興国株式インデックスファンドとeMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドの違いは、ベンチマークと手数料(信託報酬)です。
二つのファンドの違いは、以下の表にまとめたようになっています。
項目 | 雪だるま全世界株式 | eMAXIS Slim 新興国株式 |
---|---|---|
信託報酬 *年率・税込 | 0.176%程度 | 0.1518% |
実質コスト | 0.193% | 0.330% |
ベンチマーク | FTSEエマージング ・インデックス | MSCIエマージング・マーケット ・インデックス |
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させるので、手数料に注目していきましょう。
信託報酬に関しては、eMAXIS Slim新興国株式インデックスファンドの方が優秀ですが、実質コストが劣っています。
そのため、現時点では、コストを重視する場合、雪だるま新興国株式の方がオススメです。
ただし、値下げ効果の見極めとして、次回の決算資料で、eMAXIS Slim新興国株式インデックスの「実質コスト」の確認を待って、判断するのもアリです。
楽天・eMAXIS Slimなどの新興国株式インデックスファンドとの比較
次に、本ファンドとその他の新興国株式インデックスファンドの手数料を比較していきます(下表参照)。
ファンド名 | 信託報酬 (税抜) | ベンチマーク |
---|---|---|
SBI新興国株式インデックスファンド | 0.176% | FTSEエマージング・インデックス |
eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 0.1515% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
楽天・新興株式インデックスファンド | 0.25% | FTSEエマージング・オールキャップ・インデックス |
i-SMT新興国株式インデックス | 0.33% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
ニッセイ新興国株式 インデックスファンド | 0.1859% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
iFree新興国株式インデックス | 0.34% | FTSE RAFIエマージングインデックス |
EXE-i新興国株式ファンド | 0.39% | FTSEエマージング・インデックス |
たわらノーロード新興国株式 | 0.1859% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
三井住友・DC新興国株式 インデックスファンド | 0.56% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
はじめてのNISA新興国株式 | 0.1859% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
野村インデックスファンド・新興国株式 | 0.60% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
eMAXIS新興国株式インデックス | 0.60% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
SMT新興国株式インデックス ・オープン | 0.60% | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
本ファンドの手数料は、eMAXIS Slim新興国株式インデックスと並び、最安水準のコストとなっています。
ちなみに、iFree新興国株式インデックスのベンチマークは、企業の財務データを元に投資比率を算出するスマートベータ型指数「FTSE RAFIエマージングインデックス」です。
そのため、スマートベータに投資したい方は、こちらでも良いですが、分散性の観点からは本ファンド(ベンチマーク)の方が優れています(下図はパフォーマンス比較)。
SBI・新興国(雪だるま新興国株式)の評価【まとめ】
本記事では、SBI・新興国株式(雪だるま新興国株式)インデックス・ファンドについて、その評価や組み入れ銘柄、国別構成比、そしてeMAXIS Slim新興国株式インデックス・ファンドとの違いについて比較しました。
まず、SBI・新興国株式(雪だるま新興国株式)インデックス・ファンドについての評価ですが、このファンドは新興国の株式市場に幅広く投資しており、成長性の高い企業に分散投資しています。
また、信託報酬が低いことも魅力の一つです。
ただし、株式市場の変動リスクは避けられないため、投資の際には注意が必要です。
次に、組み入れ銘柄と国別構成比についてです。SBI・新興国株式(雪だるま新興国株式)インデックス・ファンドは、幅広い新興国の企業を組み入れています。国別構成比は、新興国の経済成長に応じて変動する可能性があります。
投資家は、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、国別構成比を確認することが重要です。
最後に、eMAXIS Slim新興国株式インデックス・ファンドとの違いについてです。
eMAXIS Slim新興国株式インデックス・ファンドも新興国株式に投資するファンドですが、組み入れ銘柄や国別構成比、そして信託報酬などに違いがあります。
投資家は、自身の投資スタイルやニーズに合わせて、両ファンドを比較検討することが重要です。
以上が、SBI・新興国株式(雪だるま新興国株式)インデックス・ファンドについての評価や組み入れ銘柄、国別構成比、そしてeMAXIS Slim新興国株式インデックス・ファンドとの違いについての比較でした。
投資にはリスクが伴いますので、注意しながら検討していただき、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、投資を行いましょう。