S&P先進国REIT(リート)指数は、米国を中心とする先進国の不動産市場の動向を表す代表的な指数です。オフィスビルや商業施設、住宅などを広くカバーしており、三井住友・DC外国リートインデックスファンド等インデックスファンドのベンチマークに採用されています。
本ページでは、S&P先進国REIT指数の特徴や構成銘柄・業種構成比などを解説します。また、本指数と同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるインデックスファンド、そのお得な購入先などを解説していきます。
S&P先進国REIT(リート)指数とは?
S&P先進国REIT指数は、米国投資情報社「スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)」が算出している先進国の不動産(REIT)市場の動向を表す指数で、米国や欧州、オーストラリアなど先進国の不動産(REIT)市場をカバーしています。
構成国の比率は?
はじめに、本指数はどのような国々で構成されているのか見ていきます。以下の表は、本指数の組入上位国の比率を表したものです。株式市場(MSCIコクサイ)同様、市場規模の大きい米国(アメリカ)の割合が高くなっていますが、オーストラリアの比率が高い点は、不動産(REIT)市場特有です。
S&P先進国REIT指数の構成国比率:
銘柄 | 構成比 |
---|---|
アメリカ | 72.9% |
オーストラリア | 8.1% |
イギリス | 4.9% |
フランス | 3.9% |
シンガポール | 3.0% |
カナダ | 1.8% |
香港 | 1.7% |
スペイン | 0.7% |
ベルギー | 0.7% |
ニュージーランド | 0.4% |
その他 | 5.1% |
用途(セクター)別構成比
次に、本指数にどのような用途のREIT銘柄が組み入れられているか見ていきます。以下の表は、本指数の用途別構成比です。国内REIT市場(東証REIT指数)の場合、オフィスビルの割合が高くなってしまいますが、本指数は、各セクターバランスよく組み入れられている印象です。
S&P先進国REIT指数のセクター別構成比:
用途(セクター) | 構成比率 |
---|---|
店舗(小売り) | 26.6% |
オフィス | 14.7% |
分散型 | 14.3% |
住宅 | 12.7% |
専門型 | 9.6% |
ヘルスケア | 9.2% |
工業 | 8.2% |
ホテル・リゾート | 4.8% |
構成銘柄の比率は?
最後に、どのような銘柄(不動産投資信託:REIT)が組み込まれているか見ていきます。本指数は、約300銘柄のREITから構成されています。
300銘柄と聞くと、全世界が投資対象の割に、分散性に乏しいように感じますが、1つの銘柄がたくさんの不動産に分散投資を行っている投資信託なので、分散効果が期待できます。
S&P先進国REIT指数の組み入れ上位銘柄
銘柄 | 構成比 | 用途(セクター) |
---|---|---|
サイモン・プロパティー・グループ | 5.2% | 店舗 |
パブリック・ストーレッジ | 2.9% | 専門 |
プロロジス | 2.4% | 工業用 |
ウェル・タワー | 2.2% | ヘルスケア |
アバロンベイ・コミュニティーズ | 2.1% | 住宅 |
ユニボール・ロダムコ | 2.1% | 店舗 |
ベンタス | 2.0% | ヘルスケア |
エクイティ・レジデンシャル | 2.0% | 住宅 |
ボストン・プロパティーズ | 1.9% | オフィス |
セントレ | 1.7% | 店舗 |
セクター構成比同様、東証REIT指数の場合、オフィスに偏っていますが、本指数は、様々なセクターのREIT銘柄から構成されていることがわかります。ヘルスケア関連のリートが近年では増えている印象です。
S&P先進国REIT指数に連動するインデックスファンド
次に、S&P先進国REIT指数と同等の投資成果を上げることを目的とする投資信託(インデックスファンド)を見ていきます。下表は、外国の不動産(REIT)市場への投資を目的とするインデックスのベンチマーク・手数料比較です。
外国・海外REITインデックスファンド一覧・比較
ファンド名 | 信託報酬 (税抜) | ベンチマーク |
---|---|---|
eMAXIS Slim先進国リートインデックス | 0.22% | S&P先進国リート指数 |
Smart-i先進国リートインデックス | 0.22% | S&P先進国リート指数 |
たわらノーロード先進国リート | 0.297% | S&P先進国リート指数 |
三井住友・DC外国リートインデックスファンド | 0.297% | S&P先進国リート指数 |
ニッセイグローバルリートインデックスファンド | 0.297% | S&PグローバルREIT指数 |
iFree外国REIT(リート)インデックス | 0.341% | S&P先進国リート指数 |
EXE-iグローバルREITファンド | 0.343% | S&Pグローバルリート指数 |
たわらノーロード先進国リート <為替ヘッジあり> | 0.385% | S&P先進国リート指数 (為替ヘッジ) |
iシェアーズ先進国リートインデックス | 0.429% | S&P先進国リート指数 |
野村インデックスファンド・外国REIT | 0.605% | S&P先進国リート指数 |
SMTグローバルREITインデックス・オープン | 0.605% | S&P先進国リート指数 |
eMAXIS先進国リートインデックス | 0.660% | S&P先進国リート指数 |
本指数(S&P先進国REIT指数)をベンチマークとするファンドは、三井住友・DC外国リートインデックスファンドやiFree外国REITインデックス等があり、三井住友・DC外国リートインデックスファンドが最安コストとなっています。
ただし、新興国も含む全世界のREIT市場を投資対象としてインデックスファンドも見た場合は、ニッセイグローバルリートインデックスファンドが最も安くなっています。先進国REIT市場のみが投資対象となっているファンドと比べると、分散性が高い点も特徴です。
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなりパフォーマンスを悪化させるので、ベンチマークが同じインデックスファンドの場合、コストの安いファンドを選ぶことが重要です。
お得な購入先は?SBI証券?楽天証券?
インデックスファンド等の投資信託は、SBI証券や楽天証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券、フィデリティ証券、GMOクリック証券などから購入可能です。
購入手数料は、ネット証券では無料なので差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」に違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。ポイントは、現金などに交換できるため、ポイント還元率の高いネット証券でファンドを購入することで、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
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SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) |
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楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) |
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マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) |
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auカブコム証券 | 月平均保有額100万円につき1ポイント (最大:年率0.24%) |
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SBI証券であれば、最大0.24%(年率)のポイント還元が受けられます。他ネット証券もポイント還元がありますが、還元率の高さや利便性を考えるとSBI証券がおトクです。例えば、1,000万円分保有している場合、年間(最大)24,000円のキャッシュバックがあります。