eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、先進国の株式市場に投資することを目的としたインデックスファンドです。
信託報酬「年率0.09981%(税込)」と国内最安コストで、アメリカやヨーロッパなど、20カ国以上の先進国の株式に分散投資が行えます。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスとは?
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、米国やイギリス、ヨーロッパ諸国など世界経済を牽引する20カ国以上の先進国株式への分散投資を目的としたインデックスファンドです。
MSCIコクサイ(配当込み)をベンチマークとしており、アップルやアマゾン、マイクロソフトなど世界を代表する企業を含む、約1,300銘柄から構成されいます。
eMAXIS Slimシリーズのファンドの1つで、手数料の安さが、最大の特徴です。
MSCIコクサイとは?組み入れ銘柄・業種別の構成比率は?
MSCIコクサイとは、モルガン スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が算出している日本を除く先進国株式市場の動向を表す株価指数です。
「コクサイ」とあるように、日本の投資家向けに作られています。
アメリカやカナダなどの北米勢やイギリス、ヨーロッパ勢など、20カ国以上の先進国株式市場に上場する約1,300銘柄から構成されている時価総額加重平均型の株価指数です。
購入手数料・信託報酬(実質コスト)
本ファンドの購入手数料および売却時の手数料は、いずれも無料です。
また、ファンド保有時にかかる手数料「信託報酬」は年率0.1023%(税込)と、先進国株式市場への投資を目的とした投資信託の中で、最安コストとなっています。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスの手数料一覧
項目 | 手数料が発生する タイミング | 手数料(税抜) |
---|---|---|
購入手数料 | ファンド購入時 | 無料 |
信託財産留保額 | ファンド売却時 | 無料 |
信託報酬 | ファンド保有時 | 年率0.1023% |
また、eMAXIS Slimシリーズのファンドは、純資産総額が500億円、1,000億円を超えるとそれぞれ信託報酬が0.005%、0.01%引き下げられます。
純資産総額 | 手数料(税抜) |
---|---|
500億円未満 | 年率0.1023% |
500億円以上 1,000億円未満 | 年率0.1006% |
1,000億円以上 | 年率0.09889% |
つまり、本ファンドは、0.09889%まで信託報酬が安くなります。
現在、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの純資産は、2,800億円を突破しています。
純資産2,800億円における「実質信託報酬率」は、なんと「年率0.09981%(税込)」と超低コスト!
実質コスト
直近(2020年4月28日〜2021年4月26日)の売買委託手数料や有価証券取引税、保管費用などを含めた、本ファンドの実質コストは「0.143%」となっています。
信託報酬以外の売買委託手数料・有価証券取引税などの余分なコストが低く、外国資産への投資で高くなりがちな「その他費用」も安く抑えられています。
以下の図は、運用報告書に記載されている「一万口当たりの費用明細」です。
対象期間中の信託報酬が「14円」、信託報酬を含む全ての手数料の合計が「20円(+6円分が隠れコスト)」なので、実質コストを「信託報酬÷14円×20円」と計算すると、実質コストは0.143%(四捨五入)となります。
構成銘柄の比率は?
次に、本ファンドにどのような銘柄が組み込まれているか見ていきます。
本ファンドは、MSCIコクサイがベンチマークで約1,300銘柄から構成されており、構成銘柄の上位10銘柄の比率は、以下のようになっています。
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
アップル | 2.23% | 情報技術 |
マイクロソフト | 1.43% | 情報技術 |
アマゾン | 1.03% | 一般消費財・サービス |
エクソン・モービル | 1.02% | エネルギー |
ジョンソン&ジョンソン | 1.01% | ヘルスケア |
JPモルガン・チェース | 0.99% | 金融 |
0.96% | 情報技術 | |
ウェルズ・ファーゴ・アンド・カンパニー | 0.84% | 金融 |
ゼネラル・エレクトリック(GE) | 0.81% | 資本財・サービス |
AT&T | 0.78% | 電気通信 |
昨今のアメリカ経済の好調さから米国企業がトップ10を独占しています。
アップルやマイクロソフト、Facebookなどのハイテク企業、またジョンソン&ジョンソンやAT&Tなど伝統的な企業の比率が高くなっています。
構成国の比率は?
次に、本ファンドの構成国の比率を見ていきます。
以下のグラフは組入上位トップ10の比率です。米国の比率60%以上と高いことがわかります。
(アメリカの次は、イギリスやカナダ、ヨーロッパ勢の比率が高め)
グラフ中の文字が読みにくい方は、以下の表をご参照ください。
銘柄 | 構成比 |
---|---|
米国 | 66.54% |
イギリス | 7.14% |
フランス | 4.22% |
ドイツ | 3.82% |
カナダ | 3.78% |
スイス | 2.99% |
オーストラリア | 2.71% |
オランダ | 1.39% |
香港 | 1.36% |
スペイン | 1.17% |
その他 | 4.87% |
【実績・利回り】分配金・パフォーマンス
本ファンドの決算(分配金)は、年1回(4月)行われます。
下図のように、設定以来、一度も分配金を出しおらず、効率的な運用が行われている事がわかります。
決算日 | 分配金 |
---|---|
2021年4月26日 | 0円 |
2020年4月27日 | 0円 |
2019年4月25日 | 0円 |
2018年4月25日 | 0円 |
分配金が出てしまうと、分配金への課税分(約20%)投資パフォーマンスが悪化するので、ファンド内への再投資が、我々ファンド購入者には嬉しいですね。
長期投資を行う場合、効率的な資産運用のため、分配金が出た場合でもファンドへ再投資することが重要です。
SBI証券など証券会社の注文時に「分配金再投資コース」を選ぶことで、自動再投資ができます。
また、これまでの本ファンドのパフォーマンスは、以下のようになっています。
運用期間 | ファンド | ベンチマーク |
---|---|---|
1ヶ月 | 4.1% | 4.2% |
3ヶ月 | 11.2% | 13.3% |
6ヶ月 | 12.9% | 12.8% |
1年 | 38.3% | 38.2% |
3年 | 94.4% | 93.7% |
設定来 | 101.1% | 99.8% |
インデックスファンドなので、ベンチマーク(MSCIコクサイ)とのパフォーマンスに差(乖離)が出ない事が重要ですが、設定以来、大きな乖離は発生していません。
ベンチマークとの乖離は、手数料などが影響するので、低コストのメリットを活かし、ベンチマークに忠実な運用が行われている事が分かります。
つみたてNISA・iDeCoで運用は可能?
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、つみたてNISAで運用可能です!
つみたてNISAの特徴やメリット、デメリットや始め方などの詳しい解説は、以下のブログ記事をご覧ください。
また、SBI証券iDeCoのセレクトプランを活用することで、個人型確定拠出年金(iDeCo)での運用も行えます。
- 運用益が非課税
- 掛金が全額所得控除
- 年金受給時の税制優遇
一般NISA・つみたてNISAと同様、運用益が非課税になるのはもちろんのこと、掛け金分が全額所得税になるメリットがあります。
年金給付まで資金を回収できないデメリットはありますが、税制面でNISAよりも絶大な優遇を受けることができます。
項目 | つみたてNISA | iDeCo |
---|---|---|
対象者 | 20歳以上の日本人 | 20〜60歳の日本人 |
利用限度額 (年間) | 積立:40万円 現行:120万円 | サラリーマン、自営業など 立場によって異なる (年14.4万〜81.6万円) |
非課税期間 | 積立:5年 現行:20年 | 60歳まで |
税制優遇 | 譲渡益非課税 受取時非課税 | 譲渡益非課税 掛け金非課税 ⇒ 所得・住民税軽減 受取時課税 ⇒ 退職所得控除等が適用され軽減 |
つみたてNISAとiDeCoの違いの詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
先進国株ファンドの比較
本ファンドの特徴は、国内最安水準のコストで、アメリカやヨーロッパを含む「先進国株式市場」へ投資ができるという点です。
下表は、先進国の株式を投資対象とするファンドの手数料を比較した表です。
ファンド名 | 信託報酬 年率、税込 |
---|---|
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1095% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.189% |
iFree外国株式インデックス | 0.19% |
iFree外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | 0.19% |
i-SMTグローバル株式インデックス | 0.19% |
Smart-i先進国株式インデックス | 0.20% |
つみたて先進国株式 | 0.20% |
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.20% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.225% |
たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.225% |
EXE-i先進国株式ファンド | 0.32% |
野村インデックスファンド・外国株式 | 0.55% |
野村インデックスファンド・外国株式(為替ヘッジあり) | 0.59% |
eMAXIS先進国株式インデックスファンド | 0.60% |
SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.50% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ無) | 0.57% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ有) | 0.57% |
外国株式インデックスe | 0.50% |
本ファンドの信託報酬が、ニッセイ外国株式インデックスファンドを凌ぎ、最安となっています。
分散性を高めたい場合
ただし、本ファンドは、先進国株式市場のみが投資対象となっています。
そのため、先進国だけでなく、中国やインドなど新興国株式へも分散投資を行いたい場合、eMAXIS Slim新興国株式インデックス(信託報酬:0.19%)を合わせて利用することで、低コストで全世界へ分散投資が行えます。
また、二つのファンドを購入や積立、管理するのが面倒という方は、信託報酬0.1144%(税込)の「eMAXIS Slim 全世界株式」を利用することで、ファンド1本で全世界へ分散投資が行えます。
【ブログまとめ】eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの評価は?
本ファンドのデータをまとめると、以下のようになっています。
年率0.09981%と超低コストで米国のグローバル企業に投資を行うことができる点が最大の魅力です。
- ベンチマーク:MSCIコクサイ(配当除く)
- 購入手数料:無料
- 信託報酬(税抜):年率0.00981%
*その他諸経費を含む実質コスト:0.143% - 売買単位:1万円から1円単位
- 決算:年1回(4月25日、休日の場合、翌営業日)
- 償還日:無期限(設定日:2017年2月27日)
- 信託財産留保額:無し
また、三菱UFJ国際投信から出ている純資産の推移をみると、下図のように右肩あがりで推移しているため、順調にファンドへ資産が入ってきていることがわかります。
ファンドの純資産が減る(資金が流出する)場合、不安定な運用となってしまうので、現在の純資産は極めて健全な推移と言えます。
心配であれば、将来の純資産総額の推移も見ておきましょう。
以下、最後に、ファンドの運用成績を左右する証券会社(eMAXIS Slim 先進国株式の最適な購入・保有先)について解説して行きます。
証券会社による違いがあり、ポイント還元などを加味すると、投資パフォーマンスに影響が出るので、最適な証券会社を利用して、投資パフォーマンスの向上を狙いましょう。
お得な購入先(SBI証券?楽天証券?)
eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、SBI証券、SMBC日興証券、楽天証券、マネックス証券、岡三オンライン、auカブコム証券などのネット証券から購入可能です。
結論から言うと、
- ポイント還元が高い「SBI証券」がお得!
- 【例外】自動積立を行うなら「楽天証券」がお得!
以下、詳しく解説していきます。
ポイント還元が高い「SBI証券」がお得
購入手数料は無料なので、どこで本ファンドを購入しても差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」の違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。
ポイントは、現金や電子マネーへの交換、またファンドの購入に利用可能なため、ポイント還元率の高いネット証券で、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) | 保有額1,000万円以上で還元率2倍 一部ファンドは年率0.05%の還元率 |
SMBC日興証券 | キャンペーンで ANAマイルやdポイント | ANA:最大6万マイルdポイント:最大1万pt⇒ キャンペーン詳細 |
楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) | ポイント除外ファンドが少ない 還元率は少ない |
マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) | 低コストのインデックスファンドはポイント除外 |
auカブコム証券 | 月平均保有額100万円につき 1ポイント (最大:年率0.24%) | 月平均保有額が3000万円以上でポイント2倍 多数のポイント集計除外ファンド |
低コストインデックスファンドの場合、auカブコム証券・マネックス証券はほぼ全ての商品がポイント付与対象外となるので候補から外れます。
また、楽天証券は還元率が最大0.048%と低いので、SBI証券(ポイント還元率:0.05%〜0.20%)での購入・保有がお得になります。
また、SBI証券はポイント還元プログラムで付与される「Tポイント」を投資信託の購入に充てられ事も可能です。
毎月自動積立を設定するなら「楽天証券」もお得
毎月の自動積立を設定するならSBI証券よりも楽天証券の方がお得です。
その理由は、楽天証券の場合、自動積立の決済手段に「楽天カード」を利用することで、積立額(支払い額)の1%分がポイント還元されるためです。
自動積立とは、毎月の決まった日(例:月末・毎月12日など)に自動で決まった額を買付するサービスです。銘柄(投資信託)・積立日・積立金額の3つを最初に決めれば、あとは自動で毎月定額の買い付けが行われます。
楽天証券の取引や楽天カードで貯めた貯めた楽天ポイントは、楽天市場でのお買い物や楽天サービスの決済に1pt → 1円として利用できるため、楽天カードで積立ことで無条件で1%分の投資利益を得ることができます。
また、楽天ポイントは、楽天市場での買い物だけでなく、投資信託の購入にも利用することができるので、積立の楽天カード決済で貯まったポイントを投信の再投資に当てることで、さらに運用効率を上げることができます。
本サイトでの楽天証券の最新キャンペーンの解説は、以下をご参考ください。