本記事では、CRSP USトータル・マーケット・インデックスの特徴や構成銘柄・業種構成比について、アメリカの他の株価指数との比較しながら解説していきます。
また、本指数と同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるETFや、そのお得な購入先なども解説していきます。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスとは?
CRSP USトータル・マーケット・インデックスは、米国株式市場に上場する大・中・小型株式、約4,000銘柄から構成される株価指数です。
時価総額加重平均型の株価指数で、米国の株式市場のほぼ100%をカバーしています。
米国の株価指数としては、大型株が中心の「NYダウ」や「S&P500」が有名ですが、本指数は、それらの指数と比べて構成銘柄が多く、分散性が高い点が特徴です。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスの組み入れ銘柄と構成比
次に、本指数の構成銘柄を見ていきます。基本的に組入上位銘柄は、S&P500の上位銘柄と同じになっています。
ただし、指数に中小型株式も含まれているため、組み入れ比率が若干低めになっています。
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
アップル | 2.6% | テクノロジー |
マイクロソフト | 2.0% | テクノロジー |
アルファベット | 2.0% | テクノロジー |
エクソン・モービル | 1.5% | エネルギー |
アマゾン | 1.4% | 消費者サービス |
バークシャー・ハサウェイ | 1.3% | 金融 |
ジョンソン&ジョンソン | 1.3% | ヘルスケア |
1.3% | 情報技術 | |
JPモルガン・チェース | 1.3% | 金融 |
ゼネラル・エレクトリック(GE) | 1.1% | 資本財 |
S&P500と同様に、アップルやマイクロソフト、Facebookなどのハイテク企業、またバフェット氏の率いるバークシャー・ハサウェイがトップ10入りしています。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスの業種(セクター)別構成比
次に、業種別の構成比率を確認します。
S&P500と同じようなセクター比率となっており、NYダウと比べると、情報技術セクターの割合が高めとなっています。
CRSP USトータル・マーケット・インデックスの業種別構成比:
業種(セクター) | CRSP USトータル・ マーケット・インデックス | S&P500 | NYダウ |
---|---|---|---|
金融 | 20.4% | 17.7% | 20.7% |
情報技術 | 16.7% | 21.7% | 14.9% |
消費者サービス | 13.1% | 12.1% | 14.9% |
資本財 | 13.0% | 10.2% | 19.9% |
ヘルスケア | 12.3% | 14.1% | 12.8% |
生活必需品 | 9.7% | 9.4% | 6.3% |
エネルギー | 6.7% | 6.5% | 6.4% |
公益事業 | 3.1% | 3.3% | 0.0% |
素材 | 2.7% | 2.8% | 2.6% |
電気通信 | 2.3% | 2.4% | 1.6% |
CRSP USトータル・マーケット・インデックスなどの全米国株式ETF
CRSP USトータル・マーケット・インデックスなど米国株式市場の株価指数をベンチマークとするETFには、下表のようなものがあります。
ETFなので、インデックスファンドよりも、信託報酬(経費率)が割安。
銘柄名(コード・ティッカー) | 信託報酬 (経費率) | ベンチマーク | 種類 |
---|---|---|---|
バンガード・S&P500ETF(VOO) | 0.03% | S&P500 | 米国ETF |
バンガード・トータル・ストック・ マーケットETF(VTI) | 0.03% | CRSP USトータル・ マーケット・インデックス | 米国ETF |
iシェアーズS&P500ETF(IVV) | 0.04% | S&P500 | 米国ETF |
SPDR S&P500 ETF(1557) | 0.095% | S&P500 | 国内ETF |
UBS ETF米国株(1393) | 0.14% | MSCI米国インデックス | 国内ETF |
Simple-X NYダウ・ジョーンズ・ インデックス上場投信(1679) | 0.15% | NYダウ | 国内ETF |
上場インデックスファンド米国株式 (1547) | 0.16% | S&P500 | 国内ETF |
注目は、経費率(信託報酬)0.04%のiシェアーズS&P500ETF(IVV)やバンガード・S&P500ETF(VOO)、また本指数をベンチマークとするバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の3本です。
他ETFと比べて、圧倒的な低コストです。
VOO・IVVとVTIの違いは、構成銘柄数とその比率です(ベンチマークの違いによる)。
VOO・IVVは、S&P500に含まれる米国主要500社だけが投資対象ですが、VTIは、S&P500の採用銘柄に加えて、米国市場に上場する中小型株式も含まれています。そのため、VTIの方がカバー範囲が広くなっています。
ちなみ、両者の過去10年のパフォーマンスは、ほとんど変わりません(下表参照)。個人的には、構成銘柄数が多く分散性もあり、中小型株の成長も取り込めるVTIが好みです。
VTIとVOOのパフォーマンス比較
以上、米国ETFを紹介しましたが、国内のETFの方が良いという方は、SPDR S&P500 ETF(1557)が良いでしょう。
国内株式同様に売買ができるうえ、auカブコム証券であれば、売買手数料無料(フリーETF)で取引できます。
バンガードなど「米国ETF」をお得に購入・保有する方法(証券会社)
バンガードETFなどの米国ETFは、手数料の安いネット証券で取引を行うのが良いでしょう。
ネット証券では、SBI証券や楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券、松井証券、DMM株などで、米国ETFの取引が行えますが、最も手数料が安い「SBI証券」での取引がオススメです。
米国株・ETFを取引する場合は、株式の売買時に係る手数料「売買手数料」と日本円を米ドルに両替するための「為替手数料」の2種類の手数料(コスト)がかかります。
- 売買手数料:株式を売買する際にかかる手数料
- 為替手数料:日本円を米ドルに両替する手数料
下表は、4つのネット証券の売買手数料と為替手数料を比較したものです。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
DMM株 | 無料 | 25銭 |
SBI証券 | 約定額の0.45% 0ドル〜20ドル | 25銭 |
楽天証券 | 約定額の0.45% 0ドル〜20ドル | 25銭 |
マネックス証券 | 約定額の0.45% 0ドル〜20ドル | 25銭 |
売買手数料は、SBI証券・マネックス証券・楽天証券の3社が同水準の安さですが、為替手数料はSBI証券が安いため、取引に係るトータルコスト(売買手数料+為替手数料)は、SBI証券が最も安くなります。
このため、米国株・米国ETFを取引する場合「SBI証券」がオススメになります。
手数料・コストは、投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させますので、SBI証券を利用して、コストを抑えた投資を行いましょう。
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