MSCIコクサイは、先進国株式市場の動向を表す代表的な株価指数です。アメリカやヨーロッパなどの20カ国以上の先進国をカバーしており、ニッセイ外国株式インデックスファンドやeMAXIS Slim先進国株式インデックスなど、多くの投資信託のベンチマークとして採用されています。
本ページでは、MSCIコクサイの特徴や構成銘柄や構成国、また業種別の構成比などを紹介・解説していきます。また、MSCIコクサイと同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるインデックスファンドやETF、そのお得な購入先などを解説していきます。
MSCIコクサイとは?
MSCIコクサイとは、モルガン スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)が算出している日本を除く先進国株式市場の動向を表す株価指数です。「コクサイ」とあるように、日本の投資家向けに作られています。
アメリカやカナダなどの北米勢やイギリス、ヨーロッパ勢など、20カ国以上の先進国株式市場に上場する約1,300銘柄から構成されている時価総額加重平均型の株価指数です。
構成国の比率は?
次に、MSCIコクサイの気になる構成国とその比率を確認していきます。下表に組入国の比率をまとめました。米国の比率60%以上と高く、米国の次に、イギリスやカナダ、ヨーロッパ勢が続いています。
MSCIコクサイの構成国とその比率:
銘柄 | 構成比 |
---|---|
米国 | 65.77% |
イギリス | 6.99% |
フランス | 3.92% |
カナダ | 3.89% |
ドイツ | 3.65% |
スイス | 3.49% |
オーストラリア | 2.98% |
香港 | 1.37% |
オランダ | 1.36% |
スペイン | 1.27% |
スウェーデン | 1.15% |
その他 | 3.20% |
組み入れ銘柄と構成比
次に、MSCIコクサイの構成銘柄(約1,300銘柄)の組入上位銘柄の顔ぶれを見ていきます。世界経済を牽引するアメリカのグローバル企業が上位を独占しています。アップルやマイクロソフト、Facebookなどの有名ハイテク企業が名を連ねています。
MSCIコクサイの構成銘柄:
銘柄 | 構成比 | 業種(セクター) |
---|---|---|
アップル | 2.29% | 情報技術 |
マイクロソフト | 1.46% | 情報技術 |
ジョンソン&ジョンソン | 1.08% | ヘルスケア |
アマゾン | 1.06% | 一般消費財・サービス |
エクソン・モービル | 1.04% | エネルギー |
JPモルガン・チェース | 1.01% | 金融 |
1.00% | 情報技術 | |
ウェルズ・ファーゴ・アンド・カンパニー | 0.86% | 金融 |
ゼネラル・エレクトリック(GE) | 0.81% | 資本財・サービス |
アルファベット | 0.80% | 情報技術 |
米国企業に絞った投資を行いたい方は、低コストファンドのiFree NYダウインデックスや売買手数料無料(フリーETF)の「SPDR S&P500 ETF(1557)」などがあります。また、米国株式市場への投資を目的とした低コストファンドは、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/us-stock-etf-and-indexfunds/
業種(セクター)別構成比
次に、業種別の構成比率を確認します。金融業の他、情報技術やヘルスケアなど米国が世界を牽引する業種の割合が高くなっています。米国の比率が高いため、米国の代表的な株価指数「S&P500」の業種別構成比と似た構成となっています。
MSCIコクサイの業種別構成比:
業種(セクター) | MSCIコクサイ | S&P500 |
---|---|---|
金融 | 18.3% | 14.8% |
情報技術 | 15.7% | 21.7% |
ヘルスケア | 12.8% | 14.1% |
消費者サービス | 11.5% | 12.1% |
資本財 | 10.3% | 10.2% |
生活必需品 | 10.0% | 9.4% |
エネルギー | 7.0% | 6.5% |
素材 | 4.9% | 2.8% |
公益事業 | 3.2% | 3.3% |
不動産 | 3.0% | 2.9% |
電気通信 | 2.9% | 2.4% |
先進国株式への投資を目的としたインデックスファンド
MSCIコクサイなど先進国株式市場の株価指数と同等の投資成果を上げることを目的とする投資信託(インデックスファンド)には、下表のようなものがあります。
先進国株式市場への投資を目的とした低コストファンド一覧・比較
ファンド名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1095% |
ニッセイ外国株式インデックスファンド | 0.189% |
iFree外国株式インデックス | 0.19% |
iFree外国株式インデックス(為替ヘッジあり) | 0.19% |
i-SMTグローバル株式インデックス | 0.19% |
Smart-i先進国株式インデックス | 0.20% |
つみたて先進国株式 | 0.20% |
つみたて先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.20% |
たわらノーロード先進国株式 | 0.225% |
たわらノーロード先進国株式(為替ヘッジあり) | 0.225% |
EXE-i先進国株式ファンド | 0.32% |
野村インデックスファンド・外国株式 | 0.55% |
野村インデックスファンド・外国株式(為替ヘッジあり) | 0.59% |
eMAXIS先進国株式インデックスファンド | 0.60% |
SMTグローバル株式インデックス・オープン | 0.50% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ無) | 0.57% |
i-mizuho先進国株式インデックス(為替ヘッジ有) | 0.57% |
外国株式インデックスe | 0.50% |
たくさんの超低コストファンドがありますが、中でもニッセイ外国株式インデックスファンドが最安コストとなっています。
コストは投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させるので、コストの安いファンドを選ぶことが重要です。また、次に紹介するような証券会社を利用することで、さらにお得にファンドを購入・保有できます。
お得な購入先は?SBI証券?楽天証券?
インデックスファンド等の投資信託は、SBI証券や楽天証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券、GMOクリック証券、岡三オンライン証券などから購入可能です。
購入手数料は、ネット証券では無料なので差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」に違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。ポイントは、現金などに交換できるため、ポイント還元率の高いネット証券でファンドを購入することで、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) |
|
SMBC日興証券 | キャンペーンでANAマイルやdポイント |
|
楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) |
|
マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) |
|
カブドットコム証券 | 月平均保有額100万円につき1ポイント (最大:年率0.24%) |
|
SBI証券であれば、最大0.24%(年率)のポイント還元が受けられます。他ネット証券もポイント還元がありますが、還元率の高さや利便性を考えるとSBI証券がおトクです。例えば、1,000万円分保有している場合、年間(最大)24,000円のキャッシュバックがあります。
SBI証券の詳細確認や口座開設(無料)は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえます。(6月30日まで)
また、SBI証券のメリットや投資信託の購入先の比較などは、以下をご参照ください。
先進国株式市場への投資を目的としたETF
MSCIコクサイなど先進国株式市場の株価指数をベンチマークとするETFには、下表のようなものがあります。ETFということで、インデックスファンドよりも信託報酬(経費率)が割安なものが多くなっています。
先進国の株価指数をベンチマークとするETF一覧・比較
銘柄名(コード・ティッカー) | 信託報酬 (経費率) | ベンチマーク | 種類 |
---|---|---|---|
バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA) | 0.09% | FTSE先進国オールキャップ(除く米国)指数 | 米国ETF |
iシェアーズMSCIコクサイETF(TOK) | 0.25% | MSCIコクサイ | 米国ETF |
MAXSI海外株式(MSCIコクサイ)上場投信(1550) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
iシェアーズ先進国株ETF(1581) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
上場インデックスファンド海外先進国株式(1680) | 0.25% | MSCIコクサイ | 国内ETF |
UBS ETF先進国株(1394) | 0.30% | MSCIワールド | 国内ETF |
最安は、バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)です。ただし、本ETFは、米国株が含まれないので、米国株式市場への投資を目的としたiシェアーズS&P500ETF(IVV)やバンガード・S&P500ETF(VOO)、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)などと組み合わせる必要があります。いずれのETFも経費率(信託報酬)0.05%以下と超低コストとなっています。比率も自分で調整できる点もメリットです。
ただし、米国ETFの利用が面倒という方は、MAXIS海外株式(MSCIコクサイ)上場投信がオススメです。信託報酬0.25%と国内ETFとしては最も安く、さらにauカブコム証券であれば、手数料無料(フリーETF)で売買できます。
米国ETFのお得な購入先
バンガードETFなどの米国ETFは、手数料の安いネット証券で取引を行うのが良いでしょう。ネット証券では、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社で米国ETFの取引が行えます。3社で最も手数料が安いのがSBI証券です。
米国ETFを取引する場合、ETFの売買時に係る手数料「売買手数料」、また日本円を米ドルに両替するための「為替手数料」の2種類の手数料(コスト)がかかります。米国ETFは米ドルで売買しなくてはいけないので、売買手数料の他に為替手数料がかかります。
[box02 title=”米国ETFの取引にかかる手数料”]
- 売買手数料:米国ETFを売買する際にかかる手数料
- 為替手数料:日本円を米ドルに両替する手数料
[/box02]
以下の表は、米国ETFの取り扱いを行っているネット証券の売買手数料・為替手数料を比較したものです。売買手数料は、SBI証券とマネックス証券が同水準の安さですが、為替手数料はSBI証券の方が安いことがわかります。そのため、取引にかかるトータルコスト(売買手数料+為替手数料)は、SBI証券が最も安くなります。
証券会社 | 売買手数料 | 為替手数料 (1ドル両替あたり) |
---|---|---|
DMM.com証券 | 無料(0円) | 0.25円 |
SBI証券 | 約定額の0.45% ・最低0ドル ・最大20ドル |
|
マネックス証券 | ||
楽天証券 |
為替手数料が安くなる住信SBIネット銀行は、SBI証券の口座開設時に、カンタンに同時口座開設ができます。サービスも連携していて使いやすくなっています。また、SBI証券のNISA口座であれば、買付手数料が無料になる点も大きなメリットです。
SBI証券の詳細確認や口座開設(無料)は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえます。(6月30日まで)
また、住信SBIネット銀行の同時口座開設の方法などは、以下もご参照ください。
NISAなら積立でも買付手数料無料
海外ETFは、手数料がインデックスファンドや国内ETFと比べて割高であるため、小額積立はもったいないと思うかもしれません。実際、私もそう考えていました。しかし、NISA口座を利用すれば手数料無料で買付・積立ができるようになりました。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券のどのNISA口座でも海外ETFの買付手数料が無料になります。そのため、小額積立を行いたい方は、これらのネット証券を選ぶと良いでしょう。
私自身は、元々の手数料が安く済むSBI証券を利用しています。NISA枠(年間120万円の上限)をはみ出たとしても割安な手数料でバンガードなどの米国ETFが購入できます。
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また、SBI証券の詳細やNISA口座の特徴は、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/sbi-securities-nisa/
SBI証券は、海外ETFだけでなく、投資信託や米国株の品揃えが良く、コストも業界最安水準です。また、投信マイレージやIPOチャレンジポイント、PTSなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
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