S&P/JPX配当貴族指数とは、10年以上連続で配当金を増やし続けている日本の優良企業、約50銘柄から構成されている株価指数です。日本の代表的な株価指数「TOPIX」に採用されている企業の中でも、長期で収益を上げている企業がピックアップされています。
本ページでは、S&P/JPX配当貴族指数の特徴や構成銘柄・業種構成比、また日本の他の株価指数との比較を行い、さらに本指数と同等の投資パフォーマンスを上げることが期待されるインデックスファンド等を解説していきます。
S&P/JPX配当貴族指数とは?
S&P/JPX配当貴族指数とは、米国投資情報社「スタンダード・アンド・プアーズ社(S&P)」と日本証券取引所グループ(JPX)が共同で算出している日本の株価指数で、TOPIX構成銘柄(東証1部上場の全銘柄:約2,000銘柄)の中から「10年以上連続増配」している企業をピックアップしたものです。
同様の株価指数としては、米国株式市場を対象とする「S&P500配当貴族指数」が有名ですが、本指数は日本株式版の配当貴族指数と言えます。
組み入れ銘柄と構成比
次に、本指数の気になる構成銘柄を見ていきます。10年以上増配を続けている企業には、どのような銘柄が組み込まれているのでしょう。まず、下表に構成比率の上位10銘柄をピックアップしてみました。
S&P/JPX配当貴族指数の構成銘柄(上位10社):
銘柄名 | 構成比率 | 業種(セクター) | 配当利回り |
---|---|---|---|
SANKYO | 3.34% | 機械 | 4.03% |
イオンフィナンシャルサービス | 2.79% | その他金融 | 3.15% |
中国電力 | 2.75% | 電気・ガス | 4.06% |
サンリオ | 2.72% | 卸売業 | 3.91% |
日本たばこ産業 | 2.69% | 食品 | 3.59% |
北陸電力 | 2.64% | 電気・ガス | 4.63% |
平和 | 2.57% | 機械 | 2.89% |
日本取引所グループ | 2.46% | その他金融 | 3.15% |
ローソン | 2.34% | 小売業 | 3.25% |
りそなホールディングス | 2.33% | 銀行業 | 2.84% |
有名な企業が多くなっていますが、日本たばこ産業(JT)以外は、TOPIXで構成上位銘柄となっている銘柄はありません。また、配当利回りが3〜4%台の銘柄多く、電気・ガスなど安定した収益が確保できる企業が多い印象もあります。
業種別の構成比
次に、本指数の業種別の構成比率を見ていきます。分かりやすいように、TOPIXの業種別構成比と比較していきます。
業種別の構成比率
業種(セクター) | 本ファンド | TOPIX |
---|---|---|
電気・ガス | 10.84% | 1.84% |
その他金融 | 10.36% | 1.22% |
情報・通信 | 10.17% | 7.65% |
建設 | 9.01% | 32.48% |
医薬品 | 8.63% | 4.74% |
機械 | 7.58% | 5.12% |
銀行業 | 7.36% | 8.40% |
卸売業 | 6.87% | 4.34% |
化学 | 6.41% | 6.64% |
小売業 | 6.16% | 4.39% |
TOPIXの業種別とは大きく違います。特に「電気・ガス」や「その他金融」業の比率の違い大きい点が特徴です。電力会社などの電気・ガス業は、安定した収益確保が行えるため、長年着実な増配ができているのかもしれません。
https://money-laboratory-ryoma.net/topix/
S&P/JPX配当貴族指数型インデックスファンド
S&P/JPX配当貴族指数をベンチマークとするインデックスファンドには「SMT日本株配当貴族インデックス・オープン」があります。長年連続増配を行っている企業に絞った投資を行えるファンドとして、国内唯一の貴重なファンドです。
信託報酬も年率0.42%とそこまで高くないので、投資方針があう方は、選択肢の1つとして考えてみても良いかもしれません。ただし、銘柄数は約50銘柄なので、TOPIX型インデックスと比べると、分散性が気になるところです。
そのため、分散性が気になる方はニッセイTOPIXインデックスファンドなどを利用すると良いかもしれません。下表は、TOPIX型ファンドの手数料比較です。たわらノーロードTOPIXやeMAXIS Slim国内株式インデックスの手数料も安くなっています。
ファンド名 | 日本株 |
---|---|
ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.159% |
eMAXIS Slim国内株式インデックス | 0.159% |
i-SMT TOPIXインデックス | 0.17% |
Smart-i TOPIXインデックス | 0.17% |
たわらノーロードTOPIX | 0.18% |
つみたて日本株式(TOPIX) | 0.18% |
iFree TOPIXインデックス | 0.19% |
三井住友・DC日本株式インデックスファンドS | 0.19% |
野村インデックスファンド・TOPIX | 0.40% |
eMAXIS TOPIXインデックスファンド | 0.40% |
SMT TOPIXインデックス・オープン | 0.37% |
日本株式インデックスe | 0.37% |
信託報酬などの投資コストは、我々投資家への確実なマイナスリターンとなり、投資パフォーマンスを悪化させます。そのため、コストの安いファンドを選ぶことが、パフォーマンス向上のために重要です。
ちなみに、本家である米国株式市場の高配当貴族型ファンドとしては「SMT米国株配当貴族インデックス・オープン」や野村インデックスファンド・米国株式配当貴族などがあります。
米国株式市場への投資を目的とした低コストファンド一覧・比較
ファンド名 | 信託報酬(税抜) | ベンチマーク |
---|---|---|
SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド | 0.09264% | S&P500 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.16% | S&P500 |
楽天・全米株式インデックス・ ファンド | 0.17% | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
iFree S&P500インデックス | 0.225% | S&P500 |
iFree NYダウインデックス | 0.225% | NYダウ |
たわらノーロードNYダウ | 0.225% | NYダウ |
米国株式インデックス・ファンド | 0.45% | S&P500 |
SMTダウジョーンズ・インデックス・オープン | 0.50% | NYダウ |
SMT米国株配当貴族インデックス・オープン | 0.55% | S&P500配当貴族指数 |
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族 | 0.50% | S&P500配当貴族指数 |
i-mizuho米国株式インデックス | 0.57% | S&P500 |
eMAXIS NYダウインデックス | 0.60% | NYダウ |
下表を見るとわかるように、iFree NYダウインデックスやたわらノーロードNYダウが手数料が安くなっていますが、増配を長年続けている優良企業への投資は、SMT米国株配当貴族インデックス・オープン等を利用しても面白いかもしれません。
米国株ファンドの比較などは、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/us-stock-etf-and-indexfunds/
お得な購入先は?SBI証券?楽天証券?
本記事で紹介したインデックスファンド等の投資信託は、SBI証券や楽天証券、auカブコム証券、松井証券、マネックス証券、フィデリティ証券、GMOクリック証券などから購入可能です。
購入手数料は、ネット証券では無料なので差がつきません。しかし、各ネット証券で行われている「ポイント還元プログラム」に違いがあります。
ポイント還元プログラムとは、投資信託(ファンド)の保有額に応じてポイント還元されるサービスです。ポイントは、現金などに交換できるため、ポイント還元率の高いネット証券でファンドを購入することで、お得にファンドを保有することができます。
以下の表は、ネット証券のポイントプログラムの比較を行ったものです。結論から言うと、SBI証券の投信マイレージが還元率が良く利便性が高いと言えます。
証券会社 | 還元率 | 特徴 |
---|---|---|
SBI証券 | 年率0.1% (最大:年率0.24%) |
|
楽天証券 | 残高10万円毎に月4ポイント (最大:年率0.048%) |
|
マネックス証券 | 月平均保有額の年率0.08% (最大:年率0.08%) |
|
auカブコム証券 | 月平均保有額100万円につき1ポイント (最大:年率0.24%) |
|
SBI証券であれば、最大0.24%(年率)のポイント還元が受けられます。他ネット証券もポイント還元がありますが、還元率の高さや利便性を考えるとSBI証券がおトクです。例えば、1,000万円分保有している場合、年間(最大)24,000円のキャッシュバックがあります。
SBI証券の詳細確認や口座開設(無料)は、以下の公式ページから行えます。今なら口座開設キャンペーンで最大10万円がもらえます(6月30日まで)。
また、SBI証券の口座開設キャンペーンの詳細は、以下をご参照ください。
https://money-laboratory-ryoma.net/sbi-securities-campaign/
SBI証券は、投資信託や米国株、海外ETFの品揃えが良く、コストも業界最安水準です。また、投信マイレージやIPOチャレンジポイント、PTSなど、様々な独自のメリットがあります。口座開設費・維持費は無料ですので、口座を持っていない方は、この機会に口座を開設してみると良いかもしれません。
SBI証券の特徴 | |
---|---|
SBI証券 |
|